天国のアナクレオンへ
To Anacreon in Heaven
アメリカ国歌『星条旗』メロディ原曲
『天国のアナクレオンへ To Anacreon in Heaven』は、18世紀イギリスの大衆歌謡・流行歌。アメリカ国歌『星条旗』のメロディ原曲として知られる。
「アナクレオン Anacreon」とは、アテナイ(アテネ)で活躍した古代ギリシアの抒情詩人。酒と恋愛をたたえる気楽な作品を数多く残し、その作風は後世になって「アナクレオン体 Anacreontics」と呼ばれた。
18世紀ロンドンでは、アマチュア音楽家の紳士たちの社交クラブとして、アナクレオンの名を借りた「アナクレオンティック・ソサエティ(Anacreontic Society)」が発足。
『天国のアナクレオンへ』は、同クラブの公式ソングとして18世紀後半に作曲された。メロディはジョン・スタフォード・スミス(John Stafford Smith/1750-1836)が10代の頃に作曲したものが用いられている。
同曲はロンドンで人気の流行曲となり、18世紀後半にイギリスから独立を果たしたアメリカでも歌詞を替えて愛唱され流行した。
その後、1812年の米英戦争をきっかけに、『天国のアナクレオンへ』のメロディは転用され、アメリカ国歌『星条旗』として生まれ変わることになる。
【YouTube】To Anacreon in Heaven
歌詞(1番)・日本語訳(意訳)
To Anacreon in Heav'n,
Where he sat in full glee,
A few Sons of Harmony
Sent a petition
That he their Inspirer
And Patron would be;
天国のアナクレオンへ
上機嫌で寛ぐ彼に
音楽家たちが祈りを捧げた
導きたまえ 護りたまえ
When this answer arrived
From the Jolly Old Grecian:
"Voice, Fiddle, and Flute,
No longer be mute,
I'll lend you my name
And inspire you to boot,
陽気な古代の偉人は応えた
歌声、フィドルそして
フルートの響きは永遠なり
我が名の下に精進せよ
And besides I'll instruct you,
Like me, to intwine
The Myrtle of Venus
With Bacchus's Vine."
そのうえ こうするんだ
私のように 絡ませるんだ
ビーナスの花とバッカスのワインを
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