虹の彼方に Over the Rainbow

ミュージカル映画「オズの魔法使い」主題歌・テーマ曲

『虹の彼方に』(にじのかなたに/原題:Over the Rainbow/オーバー・ザ・レインボー)は、1939年のミュージカル映画『オズの魔法使い』でジュディ・ガーランドが歌った主題歌・テーマ曲。

作詞作曲は、アメリカ人作曲家ハロルド・アーレンと作詞家E.Y.ハーバーグのコンビ。

2001年に全米レコード協会(RIAA)が発表した「20世紀の歌」365曲のうち、堂々の1位を獲得した名曲中の名曲。ちなみに2位はビング・クロスビーの「ホワイトクリスマス(White Christmas)」。

ジャケット写真は、グレン・ミラーやチェット・ベイカー、レッド・ガーランドなど、様々なアーティストらによる12曲の『虹の彼方に Over the Rainbow』を収録した企画盤「虹の彼方に100%」。

【YouTube】虹の彼方に Over the Rainbow

【YouTube】歌:Connie Talbot コニータルボット(当時6歳)

歌詞の意味・和訳(意訳)

『Over the Rainbow』

作詞:E.Y.ハーバーグ

作曲:ハロルド・アーレン

Somewhere over the rainbow
Way up high
There's a land that I heard of
Once in a lullaby

虹の向こうのどこか空高くに
子守歌で聞いた国がある

Somewhere over the rainbow
Skies are blue
And the dreams that you dare to dream
Really do come true

虹の向こうの空は青く
信じた夢はすべて現実のものとなる

Some day I'll wish upon a star
And wake up where the clouds are far behind me
Where troubles melt like lemondrops
Away above the chimney tops
That's where you'll find me

いつか星に願う
目覚めると僕は雲を見下ろし
悩み事はレモン飴みたいに溶けて
屋根の上へ溶け落ちていく
僕はそこへ行くんだ

Somewhere over the rainbow
Bluebirds fly
Birds fly over the rainbow
Why then, oh why can't I?

虹の向こうのどこかに
青い鳥は飛ぶ
虹を超える鳥達
僕も飛んで行くよ

ドナドナとの関係とは?

『虹の彼方に』を劇中歌とするミュージカル映画『オズの魔法使い』が公開されたのは1939年のこと。

その翌年の1940年、ニューヨークのイディッシュ芸術劇場では、日本でも有名な曲『ドナドナ』を劇中歌とするユダヤ演劇「エステルケ」が初演された。

『虹の彼方に』と『ドナドナ』は公開された時期が近い楽曲であることが分かるが、この2曲の関係はそれだけにとどまらない。

両曲の作詞・作曲者は全員ユダヤ人。当時ヨーロッパではユダヤ人は苦境に立たされていた。

『虹の彼方に』と『ドナドナ』の(原曲の)歌詞を見ると、自由に空を飛ぶ鳥と比較して、空を飛ぶことができない運命を強調するような描写がどちらの曲にも共通して見られる。

こうした歴史的な共通点を念頭に置きながら、両曲を比較して考察してみると、何か興味深い発見に出会えるかもしれない。

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