スロバキア国歌
スロバキア共和国/Slovak Republic
スロバキア国歌『稲妻がタトラの上を走り去り』(Nad Tatrou sa blýska)は、19世紀におけるスロバキア民族運動の高まりの中、1844年に作曲された。
曲名の「タトラ」とは、スロバキアとポーランド国境にそびえるタトラ山脈のこと。最高峰は約2654mのゲルラホウスキー峰(ゲルラホフスカ)。
写真:タトラ山脈と湖(出典:Wikipedia)
国歌のメロディは、スロバキア民謡『彼女は小さな井戸を掘った』(Kopala studienku) が用いられている。
1918年にオーストリア・ハンガリー帝国が崩壊し、チェコスロバキア共和国が成立すると、現在のチェコ国歌に続けて『稲妻がタトラの上を走り去り』の第1節がチェコスロバキアの国歌として歌われた。
1993年にチェコとの連邦関係を解消後は、最初の2節がスロバキア国歌として定められた。
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歌詞の意味・和訳
Nad Tatrou sa blýska
hromy divo bijú.
Zastavme ich bratia,
ved' sa ony stratia,
Slováci ožijú.
タトラの山に雷光が走り
猛烈な雷鳴が響く
いざ之を静めん、兄弟よ
スロバキアは蘇るのだ
To Slovensko naše
posiaľ tvrdo spalo.
Ale blesky hromu
vzbudzujú ho k tomu,
aby sa prebralo.
長きに渡り眠りしスロバキア
雷鳴は告げる 目覚めの時を
首都ブラチスラヴァ
ブラチスラヴァ(Bratislava)は、スロバキアの首都で同国最大の都市。市中をドナウ川が流れ、ハンガリーとオーストリアの2か国と国境を接している。ウィーンにも近い。
写真:スロバキアの首都ブラチスラヴァ旧市街(出典:Wikipedia)
スロバキア国旗
スロバキア国旗では、ロシアやチェコなどと同様に、汎スラヴ主義の三色(赤・青・白)、いわゆる「汎スラヴ色」が使われている。国章を除くと、ロシア国旗とほぼ同じデザインになる。
国章の複十字(ダブル・クロス)は「総主教の十字」(Patriarchal cross)と呼ばれ、ビザンチン帝国(東ローマ帝国)における正教会のシンボルとなっている。
三つの丘は、タトラ山、ファトラ山、マートラ山を表している。元々はハンガリー王国の国章に15世紀以前から使用されていた意匠で、現在でもハンガリーの国章に使われている。
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