五匹のこぶたとチャールストン 歌詞と解説
ダジャレから生まれた? 洋楽を原曲とする子供向けの歌
『五匹のこぶたとチャールストン』は、1962年7月に森山加代子のシングル曲として発表された子供向けの歌。
原曲は、フレディ・モーガン (Morgan Freddy) & ノーマン・マルキン (Malkin Norman Sidney) 『The Shimmy Shake』とJASRACデータベースに登録されているが、詳細は不明。
日本語の歌詞は、漣 健児(さざなみ けんじ)のペンネームで活動していた草野 昌一(くさの しょういち/1931-2005)。
漣 健児が『五匹のこぶたとチャールストン』の「訳詞」者として紹介されることがあるが、おそらく原曲の歌詞は「5匹の子豚」には全く関係がないものと推測される。
日本語版は、明らかに「チャールストン」の「トン」を「豚(とん)」とかけたダジャレであり、この駄洒落は言語の異なる原曲ではありえない発想だろう。
ちなみに、フジテレビ「ひらけポンキッキ」の挿入歌として1982年に放送された『やせろ!チャールス豚3世』は、このダジャレをさらに直球で取り入れたものである。
【YouTube】 五匹のこぶたとチャールストン
歌詞
ごひきのこぶたが ごひきのこぶたが
ラジオをきくと
いつもブーブーうたって チャールストンごひきのこぶたがごひきのこぶたが
じゃれあうと
まるでリズムにあわせて チャールストンだって ごひきのこぶたは なかよしで
いつもダンスをするのは チャールストンごひきのこぶたが ごひきのこぶたが
けんかをしても
すぐになかよくなるの チャールストンごひきのこぶたの おなまえは
チーこにヤ-ちゃんルーぼう
それにスーちゃん トンきち
みんなのなまえたせば ホラ
チャールストンごひきのこぶたが ごひきのこぶたが
ラジオをきくと
ママもきどっておどるの チャールストンごひきのこぶたがごひきのこぶたが
じゃれあうと
パパもうかれだすの チャールストンだって ごひきのこぶたは なかよしで
いつもダンスをするのは チャールストンごひきのこぶたが ごひきのこぶたが
ひるねをしても
ゆめでおどりだす チャールストン
ラジオを聴いている子豚たち
『五匹のこぶたとチャールストン』の歌詞では5匹の子豚たちは「ラジオ」を聴いているようだが、テレビではなくラジオであるという点が時代背景的にとても興味深い。
同曲が発表された1962年は、テレビ局が開局してまだ間もない「テレビ黎明期」であり、カラー放送もまだ始まったばかりだった。
高度経済成長に伴い、テレビも各家庭に普及を始めていたが、普及率から言えば、まだまだラジオがお茶の間で存在感を示していた時代だ。
今となってはラジオというレトロ感が逆に「チャールストン」という音楽ジャンルの古さと相まっていい味を出しているようにも思えるが、いつかこの「ラジオ」という歌詞がスマホなどの情報機器に差し替えられてしまいそうで、ラジオのままで歌い続けて欲しい限りだ。
1920年代に流行したチャールストン・ダンス
『五匹のこぶたとチャールストン』の歌詞で子豚たちが踊っている「チャールストン」とは、1920年代のアメリカで大流行したダンス「Charleston」のこと。サウスカロライナ州チャールストン市が発祥とされている。
チャールストン・ダンスの特徴・踊り方としては、立った状態で両膝の内側をくっつけたままの内股の状態で、リズムに合わせて片方ずつ足の裏を跳ね上げるのが代表的。
そのほか、両膝の上に両手を置き、膝の内側がくっつくと同時に手を交差させるトリッキーなダンスもチャールストンに含まれる。
現代では、チャールストンは洗練・応用され、ヒップ・ホップ(HIPHOP)ダンスの基本ステップとして取り入れられている。
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