結婚行進曲 (婚礼の合唱)
ワーグナー 歌劇『ローエングリン』より
リヒャルト・ワーグナー(Wilhelm Richard Wagner/1813-1883)
『結婚行進曲(婚礼の合唱)』は、リヒャルト・ワーグナー作曲の歌劇『ローエングリン(Lohengrin)』の劇中歌。
メンデルスゾーン『結婚行進曲』と並び、結婚式をイメージさせる場面でのBGMとして定番となっている。
歌劇『ローエングリン』は、10世紀前半のアントワープが舞台のロマンティック・オペラ。第1幕、第3幕への各前奏曲など、独立して演奏される人気の高い曲が数多く登場する。
初演は1850年8月28日、ヴァイマル宮廷劇場。フランツ・リストの指揮により演奏時間は4時間近くにも及ぶ大作となった。
【YouTube】婚礼の合唱(結婚行進曲)
歌詞の意味・日本語訳(意訳)
Treulich geführt ziehet dahin,
wo euch der Segen der Liebe bewahr’!
Siegreicher Mut, Minnegewinn
eint euch in Treue zum seligsten Paar.
誠実な気持ちで進み行かれよ
愛の祝福に満ちた場所へ
誠実なる勇気と愛の恵みにより
汝等は貞淑で祝福された夫婦となろう
Streiter der Jugend, schreite voran!
Zierde der Jugend, schreite voran!
Rauschen des Festes seid nun entronnen,
Wonne des Herzens sei euch gewonnen!
若き勇者 歩み行かれよ
若き花嫁よ 歩み行かれよ
祝宴のざわめきはもう過ぎ去った
心の歓喜に満たされる時なり
Duften der Raum, zur Liebe geschmückt,
nehm’ euch nun auf, dem Glanze entrückt.
Treulich geführt ziehet nun ein,
wo euch der Segen der Liebe bewahr’!
Siegreicher Mut, Minne so rein
eint euch in Treue zum seligsten Paar.
飾られた芳しき愛の部屋
誠実な気持ちで進み行かれよ
愛の祝福に満ちた場所へ
誠実なる勇気と愛の恵みにより
汝等は貞淑で祝福された夫婦となろう
歌劇『ローエングリン』のあらすじ
アントワープ周辺を治めていたブラバント公がある日亡くなり、その息子ゴットフリートと娘エルザは、テルラムント伯爵の元に預けられた。
ブラバント公の後は息子であるゴットフリートが領主の座を継ぐはずだったが、テルラムント伯爵の夫人で魔法使いのオルトルートがゴットフリートを魔法で白鳥に変えてしまい、ゴットフリートを殺したと娘エルザに疑いをかける。
テルラムント伯爵は自分が後継者になるために国王に願い出て、その決着は決闘の結果で裁かれることになった。無実を叫ぶエルザが自分のために戦ってくれる勇者を探していたところ、川上から白鳥に曳かれた謎の騎士(ローエングリン)が現れ、エルザとの結婚と自分の素性を聞かない事を条件にテルラムント伯爵との決闘を受け入れてくれた。
決闘は謎の騎士の勝利に終わり、無罪放免となったエルザ。最初の約束どおり二人は結婚することになるが、結婚式を終えたエルザはローエングリンに聞いてはならない質問をしてしまう。
謎の騎士は「私の名はローエングリン」と名前を明かすが、自分の素性を聞かないという最初の約束を破ったことでこの地を去って行こうとするローエングリン。彼を迎えに来た白鳥達の中に見覚えのある首飾りが。
それを見たローエングリンが静かに祈りを捧げると、その白鳥は元の姿であるオルトルートに戻り、ローエングリンは「オルトルートが真の後継者だ」と告げて去って行く。驚きと悲しみにショックを受けたエルザは、オルトルートの腕の中で息絶えてしまうのだった。
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