チルチェンセス 交響詩『ローマの祭』より

レスピーギ(Ottorino Respighi/1879- 1936)

『チルチェンセス(Circenses)』は、イタリアの作曲家レスピーギによる1929年初演の交響詩『ローマの祭』の冒頭の曲。

チルチェンセスとは、古代ローマ帝国時代にネロ帝がコロッセオ(コロッセウム)で行った残酷なショーのこと。アヴェ・ネローネ祭ともいう。

このチルチェンセスでは、ネロ帝に捕らえられたキリスト教徒たちが、衆人環視の中で猛獣に喰い殺される。

咆吼する金管群が飢えた猛獣を、中間部のコラールが猛獣に襲われるキリスト教徒の祈りを表している。

【YouTube】レスピーギ 交響詩『ローマの祭』より「チルチェンセス」

『ローマ三部作』を締めくくる『ローマの祭』

交響詩『ローマの祭』は、『ローマの噴水』、そして『ローマの松』に続く『ローマ三部作』の最後を飾る作品。

『ローマの噴水』や『ローマの松』に比べて演奏機会は少ないが、大規模なオーケストレーションで色彩的・鮮明で派手な音楽が特徴。

ちなみに、『ローマの松』といえば、東急ジルベスターコンサートにおける新年のカウントダウン曲として、『アッピア街道の松』が1997年と2007年の2回演奏され、テレビ放送で年末年始に生中継されている。

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