チョップスティックス Chopsticks
ピアノ曲/日本では『トトトのうた』とも
『チョップスティックス Chopsticks』は、19世紀にイギリスで出版されたピアノ曲『The Celebrated Chop Waltz』の通称。「チャップスティックス」との表記もみられる。
作曲者については、イギリスの女性作曲家ユーフェミア・アレン(Euphemia Allen/1861-1949)とされているが諸説あるようだ。出版当時はまだ16歳で、「Arthur de Lulli」の偽名を使っていたとのこと。
今日では様々なアレンジの楽譜が存在する『チョップスティックス Chopsticks』だが、何といってもこの曲を世界的に広めたのは、両手の人差し指だけで弾ける最もシンプルなバージョンだろう。
曲名の「Chopsticks」は、日本語でいう「お箸(はし)」を意味するが、右手の人差し指と左手の人差し指を伸ばし、まるで一揃いのお箸のようにピアノの鍵盤に添えて、お箸に見立てた二本の人差し指でちょんちょんと鍵盤を叩いて演奏できる。
YouTubeでも「How to play Chopsticks piano」などと検索すると、このシンプルバージョンの『チョップスティックス Chopsticks』の弾き方を解説した動画をすぐに見つけられるだろう。
【YouTube】Chopsticks - How to Play Piano - Easy Tutorial
【YouTube】the genuine "Chopsticks Waltz"
なぜ日本では『トトトのうた』と呼ばれるの?
ピアノ曲『チョップスティックス Chopsticks』、または『The Celebrated Chop Waltz』の曲名として、日本では『トトトのうた』との表記が用いられることがよくある。
これは、1966年のNHK「みんなのうた」において、同曲のメロディに日本語の歌詞をつけた子供向けの歌『トトトのうた』(作詞:阪田 寛夫)が放送されていたことからきている。
今日では、日本語の歌詞で歌う『トトトのうた』を実際に歌ったり耳にする機会はほとんどないが、年月を経てその日本語カバーの曲名だけが残り、原曲のピアノ曲を表す題名として使われるようになったのだろう
『ねこふんじゃった』と曲名が混同される?
簡単に弾けるピアノ曲としては『ねこふんじゃった』も世界的に有名。同曲は、ドイツでは『蚤(ノミ)のワルツ(Der Flohwalzer)』、フランスでは『コトレット(カツレツ)Cotelettes』など、世界中で様々な名前がついているが、イギリスでは『チョップスティックス Chopsticks』の名前でも呼ばれている。
『The Celebrated Chop Waltz』の通称である『チョップスティックス Chopsticks』は、イギリスでは『ねこふんじゃった』のメロディを意味することが多いため、両曲の間で混同が生じるケースが世界的に少なからず発生している。
日本のWebサイトにも混同は伝播しているようで、『ねこふんじゃった』はイギリスでは『トトトのうた』である、といったような「混乱」ともいうべき解説を目にすることもあり、状況はかなり複雑な様相を呈しているようだ。