ルスランとリュドミラ 序曲
N響アワーテーマ曲としても知られる華やかな序曲
『ルスランとリュドミラ』序曲は、ロシアの音楽家ミハイル・グリンカが作曲した5幕からなる同名のオペラの一曲。1842年にサンクトペテルブルクで初演された。英題は「Ruslan and Lyudmila」。
華々しく躍動感あふれる序曲は同オペラの中で最も人気が高く、演奏会やコンサートなどで単独で演奏される機会が多い。
写真はオペラ『ルスランとリュドミラ』の歴史的舞台、キエフ大公国で建設された黄金の門(復元)。現在のウクライナ首都キエフの歴史的地区に存在する。
ちなみに『ルスランとリュドミラ』序曲は、日本ではNHK教育テレビのクラシック音楽番組「N響アワー」オープニングテーマ曲として使われていた。
なお、1980年の放送開始から30年以上続いた「N響アワー」は、2012年3月25日でその長い歴史に幕が閉じられ、後継の番組として「ららら♪クラシック」が放送されている。
【YouTube】ルスランとリュドミラ 序曲
原作のあらすじ・ストーリー
オペラ『ルスランとリュドミラ』の原作は、ロシアの詩人 A・S・プーシキンによる最初の物語詩「ルスラーンとリュドミーラ」。1820年にロシアで初版され、日本語訳版は1973年に出版された河出書房新社「プーシキン全集 1 」に収録された。
物語の舞台は、ウクライナやロシアの祖国として13世紀半ば頃まで東欧で栄えた国家キエフ大公国。リュドミラ姫と騎士ルスランは婚礼の宴席を上げていたが、その途中で魔術師チェルノモールが現われ、リュドミラ姫はさらわれてしまう。
キエフ大公は直ちに姫の救出を命じ、無事に救出できた者に娘(リュドミラ姫)を与えると約束した。オペラでは3人、原作では4人の若者が姫の救出へ向かうが、妨害や誘惑を乗り越えて、最後はルスランがリュドミラと結ばれハッピーエンディングとなる。
バレエ作品にも
バレエの本場ロシアのオペラ作品である『ルスランとリュドミラ』は、後に振付師ミハイル・フォーキンによる振付によりバレエ作品としてアレンジされている。
1990年に創設されたバレエ団「クレムリン・バレエ劇団」では、創設者のアンドレイ・ペトロフによる振付で同作をレパートリーに加えており、1993年には国立クレムリン宮殿劇場で公演が行われている。
関連アルバム
『ルスランとリュドミラ』序曲を収録したおすすめアルバム「名序曲集」 演奏:ベルリン・フィル、ウィーン・フィルほか
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