予感 歌詞と解説 合唱曲
第69回NHK全国学校音楽コンクール 中学校の部 課題曲
『予感』は、作詞:片岡輝、作曲:大熊崇子による合唱曲。歌い出しの歌詞は「心の中に ひとつの予感」。
2002年に開催された第69回NHK全国学校音楽コンクール(Nコン)において、中学校の部 課題曲として作曲された。
Nコンでは、2001年の第68回から、小学校の部・中学校の部、高等学校の部の課題曲すべてに共通するテーマが採用されているが、『予感』が課題曲となった2002年(第69回)では、「環境」が課題曲テーマとなった。
「環境」というテーマを受け、合唱曲『予感』の歌詞では、「乾ききった大地に一本の苗を植えよう」、「希望と愛を託して一本の苗を育てよう」など、砂漠化や緑化運動といった地球環境を意識した内容の表現が繰り返し登場する。
【YouTube】合唱曲『予感』
歌詞
心の中にひとつの予感
影をなす不安と焦りのかなたに
光あふれる美しい世界が広がるいま乾き切った大地に
一本の苗を植えよう
希望と愛を託して
一本の苗を育てよう
心まで干涸びさせてはいけない
若くしなやかな力を
失ってはいけない
明日は私たちの
手の中にあるのだから.心の中でふくらむ予感
迫り来る試練と嵐のかなたに
緑さやかな安らぎの世界が広がるいま勇気を持って大地に
一杯の水を注ごう
平和と夢を 平和と夢を
託して一杯の水を
汲み出そう
砂漠に植えた300万本のポプラ
これらの表現は、人間社会における愛や夢・希望といったものの暗示であるとともに、歌詞の文言通り、砂漠の緑化運動を念頭においた内容となっているようだ。
具体的には、中国のゴビ砂漠で2001年までに300万本のポプラを植林した遠山正瑛(とおやま せいえい/1906-2004)の偉業が念頭に置かれているとのこと。
合唱曲『予感』を作詞した片岡輝氏は、中国大連生まれ・北京育ちであることから、故郷の中国における砂漠の緑化運動には関心があったのだろう。
片岡氏と地球環境について
片岡氏は合唱曲『予感』以外にも、2000年7月に合唱組曲『地球に寄り添って』(作曲:鈴木憲夫)、2000年10月に合唱組曲『未来への決意』(作曲:鈴木憲夫)など、地球環境への配慮を訴えるメッセージソング的な合唱曲をいくつかリリースしている。
当時は、1997年にCOP3(地球温暖化防止京都会議)が開催され京都議定書が採択さたほか、1998年に家電リサイクル法が制定され、2001年には環境省が発足するなど、地球環境への関心が高まっていた時代。
合唱曲の歌詞にも、こうした環境意識の高まりが色濃く反映されているのは非常に興味深い話だ。
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