Sippin' Soda ソーダを飲みながら 歌詞の意味

『森のくまさん』メロディ原曲と思われる1953年のポピュラーソング

『Sippin' Soda』(スィッピン・ソーダ/意味:ソーダを飲みながら)は、アメリカのポップ歌手ガイ・ミッチェル(Guy Mitchell/1927–1999)が1953年にリリースしたポピュラーソング。

発売時期やメロディの類似性から、日本の童謡『森のくまさん』およびその原曲である『The Other Day, I Met a Bear』のメロディ原曲と考えられる。

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『Sippin' Soda』と『森のくまさん』との関係はメロディのみで、歌詞の内容は関連がないが、『森のくまさん』の原曲である『The Other Day, I Met a Bear』とは部分的に共通点がある。

『Sippin' Soda』の歌詞は一体どのような内容なのだろうか?歌詞の意味・和訳を掲載したので、その内容を簡単に確認してみよう。

ちなみに、『Sippin' Soda』にも原曲があり、そのルーツは19世紀にまでさかのぼることができる。この原曲・ルーツについても簡単にまとめてみた。

【YouTube】Guy Mitchell - Sippin' Soda (1953)

歌詞の意味・和訳(意訳)

Sippin' soda, sippin' soda
A-sippin' soda through a straw
Sippin' soda, sippin' soda
A-sippin' soda through a straw

ソーダを飲みながら
ストローでソーダを飲みながら
ソーダを飲みながら
ストローでソーダを飲みながら

The prettiest girl (The prettiest girl)
I ever saw (I ever saw)
Was sippin' soda (Was sippin' soda)
Through a straw (Just through a straw)
I asked her what she sat there for
Just sippin' soda through a straw

今までで一番可愛い子
ストローでソーダを飲んでた
僕は彼女に聞いたのさ
何でそこに座ってるのか
ストローでソーダを飲みながら

She says to me (She says to me)
Oh, can't you see (Oh, can't you see)
That this is all (That this is all)
That I live for (That I live for)
I must admit that she looked sweet
When sippin' soda through a straw

彼女は僕に言った
ああ 分からないの?
これがすべてよ
このために生きてるの
ストローでソーダを飲みながら

Sippin' soda, sippin' soda
A-sippin' soda through a straw
Sippin' soda, sippin' soda
A-sippin' soda through a straw

ソーダを飲みながら
ストローでソーダを飲みながら
ソーダを飲みながら
ストローでソーダを飲みながら

And when she smiled (And when she smiled)
I lost my heart (I lost my heart)
I looked around ( I looked around)
Found another straw (Found another straw)

彼女がほほ笑んだとき
僕は恋に落ちた
辺りを見回して
ストローをもう一本見つけた

I wanted one thing more and more
To sip her soda through a straw
I held her hand (I held her hand)
And she held mine (And she held mine)

僕の望みは一つ もっともっと
彼女のソーダをストローで飲みたい
僕は彼女の手を握り
彼女は僕の手を握り返した

We sipped and sipped (We sipped and sipped)
And sipped some more (And sipped some more)
This is the end, there is no more
Of sippin' soda through a straw

僕らは飲んで飲んで
さらに飲んだ
これでお終い これ以上は無いよ
ストローでソーダを飲みながら

Oh, sippin' soda, sippin' soda
A-sippin' soda through a straw
Sippin' soda, sippin' soda
A-sippin' soda through a straw

ソーダを飲みながら
ストローでソーダを飲みながら
ソーダを飲みながら
ストローでソーダを飲みながら

森のくまさん原曲との共通点

『Sippin' Soda』は、童謡『森のくまさん』の原曲『The Other Day, I Met a Bear』のメロディと似ているだけではなく、歌詞の一部も似ている部分がある。

具体的には、『The Other Day, I Met a Bear』の最後に登場する次のような歌詞がそれにあたる。

That's all there is,
there ain't no more,
Unless I meet
that bear once more

僕の話はこれでおしまい
これ以上は何もないよ
またどこかであのクマに
出くわさない限りね

この部分が、『Sippin' Soda』の最後にある「This is the end, there is no more」の締めくくり方とよく似ている。

メロディだけでなく歌詞も影響を受けていることを考えれば、やはり『Sippin' Soda』が童謡『森のくまさん』の原曲『The Other Day, I Met a Bear』の直接のルーツである可能性はかなり高そうだ。

1928年 サイダーを飲みながら

1953年にリリースされた『Sippin' Soda』(ソーダを飲みながら)の25年前(1928年)には、『Sippin' Sider』(スィッピン・サイダー/サイダーを飲みながら)という同様の楽曲が発売されていた。

【YouTube】SIPPIN' CIDER by Mack Allen (Vernon Dalhart) 1928

飲み物がソーダではなくサイダーになっているが、歌詞は部分的に共通しており、メロディも似通った部分があることから、1928年の『Sippin' Sider』は、1953年『Sippin' Soda』のルーツと考えられる。

1894年 ストローでサイダーを飲みながら

1928年の『Sippin' Sider』(サイダーを飲みながら)からさらに34年前の1894年、『Sucking cider thro' a straw』(サッキング・サイダー・スルー・ア・ストロー/ストローでサイダーを飲みながら)という楽曲がアメリカで出版された。

曲名を見て想像がつくが、この曲は1928年の『Sippin' Sider』、そして1953年『Sippin' Soda』のルーツと言える楽曲である。

Sucking cider thro' a straw 楽譜表紙 ストローでサイダーを飲みながら

写真:Sucking cider thro' a straw 1894(出典:The Library of Congress)

楽譜の表紙には、作曲者としてW.フリーア(W. Freear)の名前が記されている。表紙の挿絵を見る限り、19世紀スティーブン・フォスターの時代に隆盛を極めたミンストレル・ショー向けの楽曲であることが推察される。

1894年の楽譜を見ると…?

1894年出版『Sucking cider thro' a straw』の楽譜を確認してみると、メロディに共通部分が多く、歌詞も部分的に一致することから、やはり『Sippin' Sider』または『Sippin' Soda』のルーツである可能性は高そうだ。

Sucking cider thro' a straw 1894 楽譜

写真:Sucking cider thro' a straw 1894 楽譜(出典:The Library of Congress)

冒頭の歌詞を抜粋すると次のとおり。

The funniest girl, that ever I saw
Was sucking cider thro' a straw

この曲をルーツとする他の曲では、冒頭の「funniest」(ファニエスト/最も面白い)の部分が、「Sweetest」や「prettiest」、「cutest」などのように、可愛らしさを表す形容詞に差し替えられていることが多い。

続きの歌詞全文と意味・和訳については、『Sipping Cider Through a Straw』(スィッピン・サイダー・スルー・ア・ストロー)のページに掲載している。

様々なカバーが存在

『Sucking cider thro' a straw』には、様々なカバーやアレンジ、ヴァリアント(派生形)が存在する。

曲名も『Sipping Cider Through a Straw』(スィッピン・サイダー・スルー・ア・ストロー)と微妙に変化しているものから、『小さなイモムシ(THE LITTLEST WORM)』のように別の題材を用いた楽曲に替え歌されているケースもよく見られる。

このページで紹介した1928年の『Sippin' Sider』(サイダーを飲みながら)も、1953年の『Sippin' Soda』(ソーダを飲みながら)も、1894年の『Sucking cider thro' a straw』をルーツとするカバー曲であることは上述のとおり。

これ以外にも多数の替え歌やカバーが存在するが、数が多くキリがないので、ここでは『森のくまさん』およびその原曲である『The Other Day, I Met a Bear』につながるメロディと歌詞を持った2曲を紹介するにとどめた。

1919年の楽曲は無関係

ちなみに、『Sucking cider thro' a straw』の歌詞を用いた『Sipping Cider Through a Straw』(スィッピン・サイダー・スルー・ア・ストロー)という楽曲が1919年に発表されている。

この曲を、『森のくまさん』の原曲『The Other Day, I Met a Bear』のルーツとする解説がネットで見られるが、歌詞こそ部分的に一致するものの、メロディの系統がまったく異なる別モノの楽曲であり、これを『The Other Day, I Met a Bear』のルーツと解釈するのは無理があるように思われる。

『Sipping Cider Through a Straw』(スィッピン・サイダー・スルー・ア・ストロー)の歌詞の意味・解説・YouTube動画についてはこちら

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