Soon-Ah Will Be Done 歌詞の意味・和訳

この世の苦しみはもうすぐ終わる 神の御許へ行くんだ

『Soon-Ah Will Be Done』(スーンナ・ウィル・ビー・ダン)は、日本でも合唱曲として比較的有名な黒人霊歌・スピリチュアル。リフレインの部分での沈痛な叫びは、聞く者に大きなインパクトを与える。

邦題は、『もうすぐ終わる』、『神のみもとに』など。

歌詞は、「すぐにこの世の苦しみは終わる」、「神の御許へ帰る」など、重苦しいメロディと相俟って、まるで自ら死を選び、神に救いを求めた黒人労働者たちの最期の魂の叫びを描写したかのような沈痛な内容となっている。

または、過酷な労働で健康を害し病の床に臥せた労働者が、息絶え絶えになりながらも最後に残した言葉として歌詞を解釈してみてもしっくりくるかもしれない。

アフリカからアメリカへ連れられ過酷な労働を強いられた彼らの歌、すなわち黒人霊歌の中でも、この『Soon-Ah Will Be Done』は、特に重苦しい雰囲気と胸に迫る激しい魂の叫びが織り込まれ、存在感のあるスピリチュアルソングとして今日でも広く歌い継がれている。

【YouTube】歌:The Master's College Chorale

【YouTube】歌:CENTRAL ISLIP HS CONCERT CHOIR

歌詞の意味・和訳(意訳)

Soon Ah will be don' a-wid de troubles ob de worl',
de troubles ob de worl',
de troubles ob de worl'.

すぐにこの世の苦しみは終わる

Soon ah will be don' a-wid de troubles ob de worl',
goin' home to live wid God.

すぐにこの世の苦しみは終わる
神の御許へ帰るんだ

<リフレイン>
I wan' to meet my mother
母さんに会いたい(3回くりかえし)

I goin to live wid God.

神の御許へ行くんだ

補足

2番ではリフレインが「no more weepin' an' a wailin' もう嘆き悲しむ日々は終わりだ」、3番では「I wan' to meet my Jesus 主の下へ行きたい」となる。それぞれ3回繰り返し歌われる。

英語のなまりについて

18世紀から19世紀にかけてアメリカ大陸へわたったアフリカ人らは、英語について正規の教育を受けていないため、現地アメリカで彼らが耳を頼りに覚えた英語には、彼ら独特のなまり・発音があった(いわゆる「黒人英語」)。

合唱曲『Soon Ah Will Be Done』の歌詞についてもそのなまりが多用されており、冒頭の歌詞を正規の英語表現に直すと次のようになる。

原詞:Soon ah will be don' a-wid de trouble ob de worl'

正規:Soon I will be done with the troubles of the world

実際の合唱曲の中でリズムに合わせてテンポよく歌おうとする場合、「スーン、アー、ウィル、ビー」と一語一語明確に区切って歌うよりも、

「♪スーナウィッビ ダーナウィッダ ターボロッダワー♪」

ぐらいに崩してしまったほうが、実は黒人英語のなまり表現に近いニュアンスが表現できるのかもしれない。なんて筆者は考えてしまうが、学校で歌うときは先生の指導に従ってしっかり歌ってほしい。

アメリカ民謡の父フォスターの名曲も是非

合唱曲『Soon Ah Will Be Done』のような黒人英語は、『おおスザンナ』、『主人は冷たい土の中に』など、19世紀「アメリカ民謡の父」スティーブン・フォスターが作曲した楽曲にも使われている。

その他、スティーブン・フォスターの作品には、当時のアフリカ系アメリカ人たちの心情が歌われた名曲が多いので、この機会に是非フォスター歌曲を鑑賞してみてほしい。

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