カタルーニャ民謡(リョベート編)
タレガの一番弟子リョベートがカタルーニャ民謡を編曲
ミゲル・リョベート(リョベット/Miguel Llobet/1878-1938)は、スペイン北東部カタルーニャ州出身のクラシックギター演奏家・作曲家。タレガの一番弟子、セゴビアの恩師とされる。
リョベートは生まれ故郷のカタルーニャ(カタロニア)に伝わる古い民謡、すなわちカタルーニャ民謡(カタロニア民謡)をクラシックギター向けに編曲し成功を収めた。
写真:スペイン、バルセロナにあるカタルーニャ広場
代表作『アメリアの遺言 El testament d'Amèlia』
リョベートが編曲したカタルーニャ民謡の中で特に有名な曲としては、『アメリアの遺言 El testament d'Amèlia』、『聖母の御子 El noi de la Mare』、『盗賊の歌 Cançó del lladre』などが代表的で演奏機会が多い。
他のカタルーニャ民謡(リョベート編)としては、次のような曲が知られている。
- 糸を紡ぐ娘 La filadora
- 王子 Lo fill del rei
- 商人の娘 La filla del marxant
- 先生 El mestre
- 羊飼いの娘 La pastoreta
- 哀歌 Plany
- うぐいす Lo rossinyol
- クリスマスの夜 La Nit de Nadal
バルセルナで有名なカタルーニャ
リョベート(リョベット)の出身地は、スペイン北東部に位置するカタルーニャ州(英語表記的にはカタロニア州)の州都バルセロナ。首都マドリードに次ぐ第2の都市で、1992年にはバルセロナオリンピックが開催された。
カタルーニャ州では、カタルーニャ語がスペイン語とともに公用語とされており、自治州政府や公共機関で公に使用される言語として、学校教育でも原則としてカタルーニャ語が使われている。
タレガに師事しセゴビアを育てたリョベート
10歳頃からクラシックギターを始めたリョベート(リョベット)は、『アルハンブラの思い出』で有名なフランシスコ・タレガ(タルレガ)と14歳の時に出会いを果たしている。
初めてタレガに自身の演奏を聴いてもらえたリョベートは、2年後にバルセロナ市立音楽学校にてタレガに師事。タレガの演奏を傍でじっくりと観察し、自宅に帰ってからタレガの演奏技巧を試して自らのギター演奏技術を高めていったという。
タレガの下で技術を得て、世界中で演奏旅行を行っていたリョベートは、1915年頃のスペインで、後に「現代クラシック・ギター奏法の父」と称賛される名ギタリストのアンドレス・セゴビアを弟子にとっていたと伝えられている。
セゴビアが実際にリョベートとどのような関係を築いていたのかについては議論があり、セゴビアも自叙伝で自らを独学者と称しているようだが、リョベートはタレガに直接つながっている一番弟子であり、その演奏技巧に感化されていることは間違いなさそうである。
関連ページ
- スペイン民謡・歌曲・クラシックギターの名曲
- 『アルハンブラの思い出』、『アランフェス協奏曲』、『愛のロマンス(禁じられた遊び)』など、有名なスペイン民謡、伝統的なスペイン歌曲、クラシックギターの名曲まとめ