Will Ye Go, Lassie, Go?
(Wild Mountain Thyme)
スコットランドの自然を舞台としたラブソング
『Will Ye Go, Lassie, Go?』(ウィル・イー・ゴー、ラシー、ゴー?/娘さん、一緒に行きませんか?)は、1957年にリリースされたスコットランド系フォークソング。メロディは民謡ベースとされるが定かではな
歌詞の一部から、タイトルは『Wild Mountain Thyme』(ワイルド・マウンテン・タイム)、『Purple Heather』(パープル・ヘザー)などとも表記される。
上の写真は、歌詞に関連する植物のワイルド・タイム。下の薄いピンクの花。シソ科イブキジャコウソウ属の常緑小低木で、学名は Thymuspolytrichus。ヨーロッパ中部が原産で、石灰岩質の荒れ地に生息する。
上半分の濃い紫の花はヘザーヘザー(Heather)。ヨーロッパやアフリカを原産とするツツジ科の植物。スコッチ・ウィスキーの産地であるスコットランドの原野・湿地に多く生息し、一面に紫の彩りを与えている。
【YouTube】Will Ye Go Lassie Go Scotland Music
歌詞の意味・日本語訳(意訳)
Oh, the summer time is coming,
And the trees are blooming,
And the wild mountain thyme
Grows around the blooming heather.
Will you go, lassie, will you go?
夏が近づき 木々は生い茂る
山に咲くワイルドタイムは
満開のヘザーの周りに咲き乱れる
娘さん、一緒に行きませんか?
Chorus:
And we'll all go together
To pull wild mountain thyme
All around the blooming heather,
Will you go, lassie, go?
二人で一緒に
山に咲くワイルドタイムを積みに
咲き乱れるヘザーの周りで
娘さん、一緒に行きませんか?
研究:メロディはスコットランド民謡なのか?
『Will Ye Go, Lassie, Go?』の作曲者は、アイルランドに住んでいたスコットランド系の音楽家フランシス・マクピーク(Francis McPeake)。
歌詞は、スコットランドの詩人ロバート・タナヒル(Robert Tannahill/1774–1810)によるスコットランド語の詩を参考にしたとされている。同世代のスコットランドにはあのロバート・バーンズ(Robert Burns/1759–1796)がいるが、二人は知り合いだったろうか。
メロディについては、wikipedia英語版によれば、ロバート・タナヒルがスコットランドを旅していた際に耳にした曲が元になっているとのことであるが、そのメロディが古いスコットランド民謡なのか近年に作曲された楽曲なのかについては不明のようだ。
1957年の初リリース後、クランシー・ブラザーズ(The Clancy Brothers)、ジョーン・バエズ(Joan Baez)、ボブ・ディラン(Bob Dylan)など様々なアーティストによってアレンジ、カバーされていくうちに、『Will Ye Go, Lassie, Go?』は作曲者不詳の「traditional トラディショナル」的な位置づけとされていき、今日に至っている。
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