聖戦(聖なる戦い)
戦勝記念式典の軍事パレードでも必ず演奏される重要な愛国歌
『聖戦(聖なる戦い)』は、ソ連国歌を作曲したアレクサンドル・アレクサンドロフが1941年に作曲したロシア(ソ連)の行進曲・軍歌・愛国歌。
ドイツ軍のバルバロッサ作戦により1941年6月22日に独ソ戦、いわゆる大祖国戦争が勃発すると、その二日後に詩人のレベジェフ=クマチによる詩がソ連の新聞に掲載され、更にその二日後にはその詩を用いた楽曲『聖戦(聖なる戦い)』が完成した。
写真:ソ連軍の重戦車KV-1(出典:Wikipedia)
『聖戦(聖なる戦い)』の歌詞は、かつてない決死の総力戦を想起させるような、ソ連側が若干劣勢気味の状況が暗に感じ取れる内容であったため、当初はソ連当局からそれほど評価されていなかったという。
しかし、ミンスク(現:ベラルーシ)やスモレンスクが次々と陥落し、ドイツ軍がモスクワに迫ると、現実はまさに『聖戦(聖なる戦い)』の歌詞が歌わんとする状況となり、同曲は国営ラジオで毎朝流されるようになった。
こうして『聖戦(聖なる戦い)』はソ連の大祖国戦争を象徴する愛国歌・軍歌となり、毎年5月にモスクワ赤の広場で開催される対独戦勝記念式典の軍事パレードでも必ず演奏される重要な楽曲として、後世まで伝えられている。
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歌詞の意味(一番)
Вставай, страна огромная,
Вставай на смертный бой
С фашистской силой тёмною,
С проклятою ордой!
立ち上がれ 巨大なる国よ
立ち上がれ 死を賭けた戦いに
邪悪なるファシストの
悪しき軍を破れ
Пусть ярость благородная
Вскипает, как волна,—
Идёт война народная,
Священная война!
<コーラス>
崇高なる憤激は 大波のごとく
人民の戦闘 聖なる戦いへ!
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