ポーリュシカ・ポーレ ロシア歌曲
草原を行く赤軍の英雄達 嘆き悲しむ村娘
『ポーリュシカ・ポーレ』(Полюшко Поле/Polyushko Pole)は、1934年に作曲されたロシア歌曲。『ポーリシュカ・ポーレ』とも題される。
曲名の「ポーレ(поле)」とはロシア語で「草原」の意味。全体で「愛しき草原」、「小さな草原」などと訳される。
日本語の訳詞もつけられており、一番の歌詞の歌い出しは「緑もえる 草原を越えて ぼくは行きたい あなたの 花咲く窓辺へと」。
クニッペルの交響曲第4番「コムソモールの戦士の叙事詩(A Poem about a Komsomol Soldier)」第一楽章の挿入歌として作曲された。作詞はヴィクトル・グーセフ(Viktor Gusev/1909-1944)。
歌詞の舞台は、1917年のロシア革命後4年ほど続いた国内戦争の頃。平原を疾駆する赤軍騎兵の勇姿、それを見送る農村の娘達が描かれている。「ポーリュシカ・ポーレ」の意味は「草原よ、草原」といった意味になる。
同曲はロシア(ソ連)の赤軍合唱団によって愛唱され、世界的に広まった。様々な国でアレンジされ、『コサック・パトロール The Cossack Patrol』や『草原の騎兵 Cavalry of the Steppes』など曲名でも親しまれている。
【YouTube】ポーリュシカ・ポーレ ロシア語
歌詞の意味・和訳
<注:歌詞はグーセフ版の一部を抜粋したもの>
Полюшко-поле,
полюшко, широко поле,
Eдут по полю герои,
Эх, да красной армии герои.
草原 草原よ 広い草原よ
英雄達が草原を行く
赤軍の英雄達が
Девушки плачут,
Девушкам сегодня грустно,
Милый надолго уехал,
Эх, да милый в армию уехал.
娘達は泣いている
今宵は悲しみに暮れる
恋人が遠くに行ってしまった
彼らは出征していったのだ
Девушки, гляньте,
Гляньте на дорогу нашу,
Вьётся дальняя дорога,
Эх, да развесёлая дорога.
娘さん達 僕等の道を見てごらん
遠くまで続く僕等の道を
Только мы видим,
Видим мы седую тучу,
Вражья злоба из-за леса,
Эх, да вражья злоба, словно туча.
僕等の目に映る灰色の雲
雨雲のように広がる
森に潜む敵の憎しみ
Полюшко-поле,
полюшко, широко поле,
Eдут по полю герои,
Эх, да красной армии герои.
草原 草原よ 広い草原よ
英雄達が草原を行く
赤軍の英雄達が
世界中でアレンジされた『ポーリュシカ・ポーレ』
『ポーリュシカ・ポーレ』は様々な国でアレンジされ、「コサック・パトロール(The Cossack Patrol)」や「草原(Meadowland)」、「草原の騎兵(Cavalry of the Steppes)」など数多くのタイトルが付けられている。
日本では、TBS系ドラマ「青の時代(1998年)」において、ロシア人歌手オリガが主題歌として歌った「ポーリュシカ・ポーレ "Le Vent Vert" ~ Le Temps Bleu」が記憶に新しい。
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