白い道 ヴィヴァルディ「冬」より
NHK「みんなのうた」クラシック音楽カバー曲
『白い道』は、NHK「みんなのうた」で1975年12月に初回放送された日本の歌。
歌い出しは「どこまでも白い ひとりの雪の道 遠い国の母さん 今日もお話を聞いてください」。
作詞は、ビゼー作曲のクラシック音楽をカバーした『小さな木の実』で知られる海野洋司(うんの ひろし)。
メロディは、ヴィヴァルディ作曲「ヴァイオリン協奏曲 ヘ短調」より『冬』第2楽章の旋律が用いられている。いわゆるクラシック音楽の日本語カバー曲。
【YouTube】白い道
歌詞と解説
作詞者の海野洋司は、ヴィヴァルディ『冬』第2楽章のメロディに、一体どのようなストーリーの歌詞をつけたのだろうか?
海野洋司『白い道』の歌詞を次のとおり引用し、その内容を簡単に確認してみよう。
どこまでも 白い
ひとりの 雪の道
遠い国の母さん 今日も
お話を 聞いてくださいあれからもう 三年過ぎ
この道に また白い雪
サラサラ 鳴ります北国の冬は
きびしく 辛いけど
母さんと 歩いた道は
あたたかい 思い出だけれんげの春 トンボの秋
忘れません 声をあわせ
うたった あの歌あしたも この道
歩きます ひとりで
母さんが 歩いたように
風の中も 負けないでいつか春の風が吹けば
うたいましょう あの日の歌
ひとり この道で
この歌詞を見ると、母親と昔一緒に歩いた雪の道を懐かしむ切ないストーリーが展開されている。
「遠い国の母さん」「あれからもう 三年過ぎ」とあり、解釈によっては母親がもう亡くなっているとも受け取れる内容となっている。
海野洋司が作詞した『小さな木の実』では、「父親」と死別したようにも解釈できる歌詞だったが、この『白い道』では「母親」を同様に題材としており、対照的で興味深い。
『小さな木の実』と対照的な内容
ちなみに、NHK「みんなのうた」で『小さな木の実』が初回放送されたのは1971年。『白い道』は4年後の1975年。
ビゼー作曲のクラシック音楽をカバーした『小さな木の実』がヒットしたため、そのシリーズとして、ヴィヴァルディ『冬』をカバーした『白い道』が制作されたのだろう。
そしてその際、テーマを「父親」から「母親」に置き換え、どちらも死別したように解釈できるような意味深く切ない内容のストーリーで作詞された。
つまり『小さな木の実』と『白い道』は、同じ作詞者で、どちらもNHK「みんなのうた」向けに制作され、クラシック音楽のメロディが用いられて、親と死別した(かのように解釈できる)内容を持った、兄弟のような楽曲だと言えるだろう。
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