目隠し鬼 世界の子供の遊び
アメリカ、イギリス、フランス、ドイツの目隠し鬼遊び
日本の子供の遊びに「目隠し鬼(めかくしおに)」または「めんない千鳥」という鬼ごっこの一種がある。鬼役の子供が布などで目元を覆い、ほかの子供たちは「鬼さんこちら 手の鳴るほうへ」とはやし立てながら鬼から逃げる遊びだ(細かいルールは異なる)。
同様の遊びは海外にも古くから存在し、YouTubeなどで目隠し鬼系の子供の遊びを見かけることがある。
海外の「目隠し鬼」について起源や由来まで遡ることは難しいかもしれないが、このページでは同様の海外の遊びをいくつか簡単にまとめてみることとしたい。
挿絵:18世紀フランスの画家フラゴナールの絵画「目隠し鬼遊び」(1751年)抜粋
イギリスの「目隠し鬼」ブラインド・マンズ・バフ
英語圏での「目隠し鬼」は「ブラインド・マンズ・バフ Blind man's buff」と呼ばれる。15世紀~16世紀のテューダー朝(チューダー朝)の頃には既に行われていたようだ。
下の挿絵は、19世紀イギリスでの「目隠し鬼」の様子を描写した絵画(出典:Wikipedia)。
この絵画では、大人たちも一緒になって遊んでいるので、親戚や友人など何かの集まりなどで余興として楽しむ遊び(レクリエーション)だったのかもしれない。
なお、「ブラインド・マンズ・バフ Blind man's buff」には、日本の「鬼さんこちら 手の鳴るほうへ」のような決まった掛け声はないようだ。具体的なルールは時代や地域によってさまざま存在したと思われる。
アメリカでは「マルコ・ポーロ」も有名
「目隠し鬼」と同じ系統の遊びとして、アメリカではプールの中で遊ぶ「マルコ・ポーロ Marco Polo」という「目隠し鬼(目つぶり鬼)」がある。
全員プールに入った状態で、鬼役の子供は目をつぶり、他の子供はプールの隅々に散らばって鬼から離れる。
鬼が「マルコ!」と叫ぶと、他の子は必ず「ポーロ!」と叫び返さなければいけない。鬼は「ポーロ!」の声を頼りに近づいていく。
13世紀ヴェネツィアの冒険家マルコ・ポーロの名前が用いられているが、これは1938年公開のアメリカ映画「The Adventures of Marco Polo マルコ・ポーロの冒険」が影響しているようだ。
フランスでは「コラン・マヤール」
フランスの「目隠し鬼」は「Colin-maillard コラン・マヤール」と呼ばれる。10世紀頃に実在したフランドルの戦士の名前がつけられている。
コラン・マヤールは戦いの中で目を潰されてしまったが、それでも剣を振り回して周囲の敵をなぎ倒していったという。
ドイツでは「ブリンデ・クー」
ドイツの「目隠し鬼」は「Blinde Kuh ブリンデ・クー(盲目の牛)」。子供の遊びというよりは、クリスマスなどに親戚や友人が集まった際のレクリエーションとして楽しむ余興だったようだ(イギリスと同様)。
かつてはカーニバルなどで用いられる牛のマスクをかぶっていたとのこと。
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