追憶(星影やさしく またたくみ空)
澄みゆく心に しのばるる昔 ああ なつかしその日
「星影やさしく またたくみ空」が歌い出しの『追憶 ついおく』は、明治大学国文学教授の古関吉雄により作詞され昭和14年に発表された日本の歌。
戦後は学校の音楽教科書に掲載されていたため、メロディや歌詞をまだ覚えているという方も少なくないだろう。
原曲は、アメリカの讃美歌『Flee as a Bird』。歌詞の内容は古関吉雄作詞による『追憶』と関係が無く、メロディだけが日本に輸入された。なお、日本にある教会などでは、おそらく讃美歌としての歌詞がつけられ歌われているのだろう。
なお、『Flee as a Bird』に日本語の歌詞がつけられたのは、「星影やさしく」で始まるこの『追憶』が初めてではなく、古くは明治23年(1890年)に文部省唱歌『月見れば』として日本の音楽教育の教材として用いられている。
原曲はスペイン民謡?
古関吉雄の作詞による『追憶』は、JASRACデータベースで調べてみると、原曲については「P.D.(パブリックドメイン)」、つまり著作権が消滅した古い曲であることがまず分かる。
次に備考欄を見てみると、原曲名が『Flee as a Bird』であることが明記されている。この点は上述のとおりだ。ただ、それ以上の情報は併記されておらず、それがどこの国の歌なのか、誰が作曲したのか等の詳細については何も記載がなかった。
一般的に『追憶』はスペイン民謡であると紹介されることが多いようだが、これは本当だろうか?『追憶』の原曲はアメリカの讃美歌『Flee as a Bird』であることは明らかなようなので、問題は、この『Flee as a Bird』のルーツがどこの国の歌なのかという点である。
この点については、讃美歌『Flee as a Bird』のページで解説しているので適宜参照されたい。