オリンピック讃歌 Olympic Hymn
古関裕而がオーケストラ編曲 IOCは日本の善意と曲の完成度に感激
『オリンピック讃歌』(Olympic Hymn/Anthem)は、オリンピックの開会式や閉会式などのセレモニーで演奏・歌唱される公式アンセム。
1896年に開催された第1回アテネオリンピック開会式において演奏された。作詞:コスティス・パラマス(Kostis Palamas)、作曲:スピロ・サマラス(Spyridon Samaras)。訳詞:野上彰による日本語歌詞も存在する。
その後、楽譜が消失してしまい、以後60年以上一度も歌われることがなかった。
写真:2020東京オリンピック 開会式セレモニー(出典:Wikipedia)
【YouTube】 オリンピック讃歌 Olympic Hymn
古関裕而の編曲で見事復活
『オリンピック讃歌』が復活の時を迎えたのは、1958年に東京で開かれた第55次国際オリンピック委員会総会(IOC総会)の開会式。
その直前に楽譜が見つかったのだが、これがピアノ用に編曲されたもので、そのままでは式典での演奏に使えない状態にあった。
そこで、ホストを務める日本オリンピック委員会は、高校野球テーマソング『栄冠は君に輝く』、『阪神タイガースの歌(六甲おろし)』を手掛けた作曲家の古関裕而(こせき ゆうじ)に依頼。ピアノ向けの『オリンピック賛歌』をオーケストラ用に編曲し、NHK交響楽団によりIOC総会で初披露した。
IOC(国際オリンピック委員会)は日本の善意と曲の完成度に感激し、以後古関裕而版『オリンピック賛歌』を公式に賛歌と認定した。
1992年のバルセロナオリンピック閉会式では、世界三大テノールの一人プラシド・ドミンゴがスペイン語で『オリンピック賛歌』を高らかに独唱し、「史上最高のオリンピック賛歌」と絶賛されている。
日本語歌詞(訳詞:野上彰)
大空と大地に 清気あふれて
不滅の栄光に輝く
高貴と真実と 美をば造りし
古代の神霊を崇めよすべての競技に ふるいたてよ
みどりの枝の 栄冠をめざして
ここに闘う者に 鉄のごとき力と
新たなる精神とをあたえよ
野山も海原も いまこそきらめく
真紅と純白の神殿に
世界の国民 四方の国より
聖なる園に集いきたるは
古き昔の永遠なる精神の
御前にひれふすためぞ
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