童神 わらびがみ 歌詞と解説
赤子をあやす母親の温かく包容力あふれる愛の歌
『童神 (わらびがみ)』は、沖縄音楽を代表する女性歌手、古謝美佐子(こじゃ みさこ/1954-)の沖縄歌謡。
歌詞では、産まれて間もない赤子をあやす母親の温かく包容力あふれる大らかな愛が描かれている。
ジャケット写真:古謝美佐子 天架ける橋(2013年リマスタリング盤)
初孫の誕生を祝うために1997年に書かれたこの『童神 (わらびがみ)』は、古謝美佐子が沖縄民謡グループ「ネーネーズ」脱退後、初の自主制作盤シングルとして1997年12月にリリースされた。作曲は夫の佐原一哉。
【YouTube】古謝美佐子 『童神』
【YouTube】夏川りみ『童神~ヤマトグチ~』
歌詞
『童神~ヤマトグチ~』
作曲:佐原一哉
編曲:京田誠一
天からの恵み 受けてこの地球(ほし)に
生まれたる我が子 祈り込め育てイラヨーヘイ イラヨーホイ
イラヨー 愛(かな)し思産子(うみなしぐゎ)泣くなよーや ヘイヨー ヘイヨー
太陽(てぃだ)の光受けて
ゆういりよーや ヘイヨー ヘイヨー
健やかに 育て暑き夏の日は 涼風を送り
寒き冬来れば この胸に抱いてイラヨーヘイ イラヨーホイ
イラヨー 愛(かな)し思産子(うみなしぐゎ)泣くなよーや ヘイヨー ヘイヨー
月の光浴びて
ゆういりよーや ヘイヨー ヘイヨー
健やかに 眠れ嵐吹きすさむ 渡るこの浮世
母の祈り込め 永遠の花咲かそイラヨーヘイ イラヨーホイ
イラヨー 愛(かな)し思産子(うみなしぐゎ)泣くなよーや ヘイヨー ヘイヨー
天の光受けて
ゆういりよーや ヘイヨー ヘイヨー
天高く 育て
NHKドラマ「ちゅらさん」で一躍有名に
『童神 (わらびがみ)』が全国的な知名度を獲得したきっかけは、何と言っても2001年9月に放送されたNHK朝の連続ドラマ「ちゅらさん」サントラとして全国のお茶の間に流れたことが大きいだろう。
沖縄県(小浜島)を主な舞台としたNHKドラマ『ちゅらさん』では、国仲涼子が演じる主人公・ヒロインの古波蔵 恵里(上村 恵里)と息子の和也が小浜島へ渡るシーンで、『童神 (わらびがみ)』が挿入歌的に印象的に用いられた。
数多くの女性アーティストがカバー
その後、『童神 (わらびがみ)』はテレビ視聴者のみならず数多くの女性アーティストらにも注目され、フォークソンググループ「赤い鳥」の山本潤子、女性デュオ花*花(はなはな)、夏川りみ、城 南海(きずき みなみ)などによるカバー版が多数リリースされている。
ジャケット写真:夏川りみ 南風 『童神 (わらびがみ)』収録(ダウンロード版)
山本潤子版は、2002年2月のNHKみんなのうた『童神 ~天の子守唄~』として全国放送され注目を集め、その後もNHKみんなのうたで2003年4月、2004年2月、2008年2月に再放送されている。
城 南海(きずき みなみ)版は、2010年3月スタートのNHK連続ドラマ「八日目の蝉」主題歌・テーマソング『童神 ~私の宝物~』として放送された。
夏川りみ版は日本レコード大賞で金賞
沖縄県石垣市出身の夏川りみが2003年にカバーした『童神 〜ヤマトグチ〜』はヒット曲となり、同年の第45回日本レコード大賞において金賞(大賞ノミネート作品)を獲得した。ちなみに日本レコード大賞は浜崎あゆみ『No way to say』。
夏川りみは2002年のミニ・アルバム「南風」において、沖縄方言の歌詞を用いた『童神 (わらびがみ)』 ウチナーグチ・バージョンを収録しているほか、2006年のアルバム「RIMITs ベスト・デュエット・ソングス」で、古謝美佐子とのデュエットによる『童神 〜太陽・月バージョン〜』を発表するなど、同曲をレパートリーの一つとして大切に歌い続けている。