お菓子と娘 歌詞の意味
エクレアをむしゃむしゃと食べ歩く二人のパリ娘
『お菓子と娘』(おかしとむすめ)は、作詞:西條八十(さいじょう やそ)、作曲:橋本国彦により1928年(昭和3年)に作曲された日本の歌曲。合唱曲としても知られる。
フランス文学者の西条はパリへの留学時代があり、パリでの経験や見聞が『お菓子と娘』の歌詞に反映されているようだ。
写真:フランスのパティスリー(出典:Wikipedia)
『お菓子と娘』の歌詞では、二人の「巴里(パリ)娘」、いわゆるパリジェンヌ(Parisienne)が主人公として登場する。歌詞の意味について簡単にまとめてみた。
【YouTube】お菓子と娘(西条八十)
お菓子の好きな二人のパリ娘
写真:パリのパティスリー(出典:エクスペディア)
お菓子の好きな 巴里(パリ)娘
二人そろえば いそいそと
角の菓子屋へ 「ボンジュール」
最初の歌詞では、お菓子の好きな二人のパリ娘が、角の菓子屋、すなわちパティスリーへ向かう様子が描写されている。
エクレアをむしゃむしゃ
写真:エクレール・オ・ショコラ(出典:parisnavi.com)
選る間(よるま)も遅し エクレール
腰もかけずに むしゃむしゃと
食べて口拭く 巴里娘
歌詞の「選る間(よるま)も遅し」とは、選ぶのに時間がかかっている様子。
「エクレール」とは、いわゆるエクレアのこと。日本でも一般的なチョコがかかったものは、エクレール・オ・ショコラ(éclair au chocolat)と呼ばれる。ちなみに、「エクレール」とは仏語で「雷・稲妻」を意味する。
空は五月の「みずあさぎ」
残るなかばは 手に持って
行くは並木か 公園か
空は五月の みずあさぎ
「みずあさぎ」とは「水浅葱」、つまり水色がかった「浅葱色(あさぎいろ)」のこと。緑みの淡い青色を意味している。
浅葱色(あさぎいろ)とは、ごく薄い藍色、または明るい青緑色。青色よりも緑に近く、花色より薄い。幕末に新選組が羽織等で使用した。
ラマルチーヌの銅像
人が見ようと 笑おうと
小唄まじりで かじり行く
ラマルチーヌの銅像の
肩で燕の宙がえり
「ラマルチーヌ」とは、19世紀フランスの詩人アルフォンス・ド・ラマルティーヌ(Alphonse de Lamartine/1790-1869)。ロマン派の代表的詩人で、フランスにおける近代抒情詩の祖と称賛される。
『お菓子と娘』作詞者・西條八十がパリに留学していた当時の銅像は、上写真のブロンズ像。現在は立像(石像)になっている。
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