那須与一 歌詞の意味
源平合戦の名場面 平家物語「扇の的」を題材とした唱歌
『那須与一』(なすのよいち)は、1911年(明治44年)刊行の「尋常小学唱歌」第二学年用に掲載された文部省唱歌。作詞者・作曲者は不明。
歌い出しは「源平勝負の晴(はれ)の場所」。歌詞では、『平家物語』における「扇の的」シーンが描写されている(屋島の戦い)。
平安末期の源平合戦「屋島の戦い」では、一時休戦状態になった夕刻、平氏軍から美女の乗った小舟が現れ、竿の先に扇を固定して、この扇の的を射よと挑発した。
平氏の挑発を受け、源氏側から弓の名手・那須与一が選ばれた。与一が見事これを射貫くと、沖の平氏は船端を叩いて感嘆し、陸の源氏は箙(えびら/矢筒)を叩いてどよめいた。
写真:屋島古戦場(出典:Wikipedia)
【YouTube】 文部省唱歌 那須与一
歌詞
源平勝負の晴(はれ)の場所
武運はこの矢に定まると
那須の与一は 一心不乱
ねらい定めて ひょうと射る
扇は夕日にきらめきて
ひらひら落ちゆく波の上
那須の与一の 誉(ほまれ)は今も
屋島の浦に 鳴りひびく
歌詞の意味
「晴(はれ)の場所」とは、表立って晴れやかな場所、重要な局面を迎えた大舞台といった意味合い。
「ひょうと射る」の「ひょう」は、矢が風を切り音を立てて飛んでいく際の擬音語。現代のマンガなどでは「ヒュン」と表記されることがある。
「誉(ほまれ)」とは、人が誉めたたえる良い評価・評判、名誉。
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