Hine Ma Tov
ヒネ・マ・トヴ(トブ)
旧約聖書から歌詞を引用したポピュラーなイスラエル民謡
『Hine Ma Tov ヒネ・マ・トヴ(トブ)』は、旧約聖書「詩篇」の一節をそのまま歌詞に引用した古いイスラエル民謡。
ヘブライ語の音訳表記には若干ゆれがあり、「Hiney Ma Tov」、「Hinei ma tov」、「Hineh ma tov」、「Hinneh Ma Tov」などと複数の表記が見られるが、みな同じイスラエル民謡を指している。
上写真は、ダンス音楽として『Hine Ma Tov』に合わせて踊るアルゼンチンの女性ダンスグループ「Grupo de Danzas Hebras」。
旧約聖書「詩篇」とは?
「詩篇」とは、旧約聖書に収められた150編からなる神への賛美の詩集であり、それぞれが独立した祈祷文として用いられる。「詩編」とも表記される。
『Hine Ma Tov』の歌詞として引用されている箇所は、「詩篇」第133篇第1節の次のようなくだりである。
Hine ma tov u'ma-nayim
Shevet ach-im gam ya-chad
<英語訳>
Behold! How good and how pleasant it is!
For brethren to dwell together in unity!
<日本語訳>
ご覧なさい 兄弟が共に和し集う様子は
なんと素晴らしく楽しいことだろう!
注:ここでの「兄弟」は「イスラエルの民」を意味し、人々が共に平和に集い神殿に祈りを捧げる歓びが歌われている。
様々なカバー イチ押しはマイアミ少年合唱団
ポピュラーなイスラエル民謡ということもあり、『Hine Ma Tov ヒネ・マ・トヴ(トブ)』は様々なアーティストによってカバー、アレンジされている。また、讃美歌や聖歌などと同様に、歌詞は同じで全く別のメロディがつけられた楽曲も数多い。
中でも筆者のお勧めは、マイアミ少年合唱団(Miami Boys Choir)によるカバー盤(1999年リリース)。90年代のダンスポップを彷彿とさせる古めのアレンジと少年合唱団によるあどけない歌声が絶妙で、歌詞の内容を知らない(興味のない)人でも一度聞けばすぐに引き込まれてしまうだろう。
【YouTube】マイアミ少年合唱団 『Hine Ma Tov ヒネ・マ・トヴ』
YouTubeのダンス動画に注目
YouTubeで『Hine Ma Tov』に関連する動画をいくつか見ていくと、マイアミ少年合唱団(Miami Boys Choir)のカバー盤に合わせてダンスを踊る女性グループの動画に巡り合うことができた(2013年9月現在)。
動画のコメント欄には「Grupo de Danzas Hebras, Mendoza, Argentina」との説明書きが添えられており、メンドーサ(アルゼンチン)のヘブライ語系ダンスグループのようで、『Hine Ma Tov』以外にもいくつかダンス動画がアップされていた。
彼女らの将来は不明だが、いい意味で力の抜けた脱力系のダンスはどこか惹かれるものがあり、マイアミ少年合唱団の曲の良さとも相俟って、最後まで動画を通して視聴させる魅力が感じられた。
【YouTube】ダンス動画 Grupo de Danzas Hebras, Mendoza, Argentina
イスラエルにはメシアニック・ダンスなどのダンス文化が古くから定着しているが、こんなにもイスラエル民謡とダンス音楽が相性がいいとは若干驚かされた。動画の再生数は少なめだったが、いわゆる「もっと評価されるべき」動画の一つではないかと思われる潜在的パワーを持ったダンス動画と言えるだろう。
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