小さな女の子
Pieni tytön tylleröinen

フィンランドの童謡・子供の歌

『小さな女の子』(Pieni tytön tylleröinen)は、子供向けの歌として広まっているフィンランドの童謡。歌詞では、眠りの精によって眠らされた女の子と周りの妖精たちが描かれている。

歌詞に何度か登場する「Nukku-Matti ヌック・マッティ」とは、フィンランドに伝わる眠りの妖精。ヌック・マッティに魔法の砂をかけられると眠りに落ちてしまうという。ドイツの妖精ザントマン(砂男)と類似の存在とされる。

関連:ブラームス『眠りの精(砂の精』

同じく歌詞に出てくる「タピオ(Tapio)」とは、フィンランドの民族叙事詩「カレワラ(カレヴァラ)」で森の精霊・森の神として描かれる神話の人物。テッレルヴォ(Tellervo)はタピオの娘。

ちなみに、フィンランドの作曲家ジャン・シベリウス(Jean Sibelius/1865-1957)は、1925年に「タピオ(Tapio)」をモチーフとした交響詩『タピオラ』作品112を作曲している。

【YouTube】 Pieni tytön tylleröinen

歌詞の一例・日本語訳

Pieni tytön tylleröinen
tietä pitkin kulki.
Saapui sinne Nukku-Matti,
silmät pienet sulki.

小さな女の子が歩いていると
ヌック・マッティがやってきて
彼女を眠らせた

Kasvoi kuusi kukkalatva,
käki siinä kukkui.
Mutta tytön tylleröinen
nurmikolla nukkui.

カシの木が花をつけ カッコーが鳴く
小さな女の子は 草の上で眠ってる

Pieni tytön tylleröinen
sievää unta näki
että hänen ympärilleen
tuli metsän väki.

小さな女の子 素敵な夢を見てる
周りに集まってくる森の妖精たち

Tapio ja Tellervo
ja Sinipiika pieni,
Mustikka ja Mansikka
ja suuri metsän sieni.

タピオにテッレルヴォ 小さな妖精たち
ブルーベリーにストロベリーに大きなキノコたち

Sipsutteli Sinipiika
pienen tytön luokse;
otti kiinni kädestä,
hyppeli ja juoksi.

小さな青い妖精が 彼女のそばで
手をとったり飛んだり跳ねたり

Eipä tytön tylleröinen
ollut mitään vailla.
Hauska oli oleskella
Nukku-Matin mailla.

小さな女の子はすっかり満足して
ヌック・マッティの世界を楽しんだ

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