カレワラ フィンランド民族叙事詩
フィンランド独立運動を精神面から支えたフィンランド伝承
かつてフィンランドはロシア帝国に支配されていた。フィンランド国民の民族意識を高め、後のフィンランド独立運動を精神面から支えたのは、フィンランド民間伝承を編纂した民族叙事詩「カレワラ Kalevala」(意味:英雄の地)の存在だった。
挿絵は、フィンランドの画家アクセリ・ガッレン=カッレラによるカレワラを題材とした絵画「アイノ」(1891年作)。中央で描かれているのは、乙女アイノに求婚するワイナミョイネン。
1835年に2巻32章からなる叙事詩として出版された「カレワラ」は当時の知識人階級に大きな衝撃を与え、フィンランド独立の機運を高めた。
一方で、シベリウス作曲 交響詩『フィンランディア』は、音楽的な観点からフィンランド独立運動を支えた。
シベリウスも叙事詩「カレワラ」から強いインスピレーションを受けており、交響詩『トゥオネラの白鳥』、交響的幻想曲『ポホヨラの娘』など、「カレワラ」を題材とした楽曲をいくつか残している。
カンテレ フィンランドの民族楽器
フィンランド民謡などで用いられる民族楽器カンテレは、「カレワラ」に登場する老賢者ワイナミョイネンが作り出した神話的な楽器に基づく弦楽器。
一時期フィドルの人気に押されていたカンテレだったが、音程が変えられるコンサートカンテレの開発などで演奏機会も増え、日本でも根強い人気がある。
アニメ映画「ガールズ&パンツァー劇場版」では、フィンランドを象徴する継続高校のテーマ曲にカンテレが用いられ注目を集めた。カンテレで演奏されていたのは『サッキヤルヴェン・ポルカ』。
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