鳩の休日 日本テレビ テーマ曲
作曲:深井 史郎(ふかい しろう/1907-1959)
「鳩の休日」は、日本テレビの放送開始や終了時に放送局名を告知する際流れる映像と音楽。1953年8月28日の日テレ開局から用いられ、一時期使用されない時期も挟みつつ、2013年12月まで放送され続けた。
ジャケット写真:日本テレビ 黄金のベストヒット
若干デフォルメされた造形の3羽の鳩が、ゆっくりとしたコマ撮りのアニメーションでパタパタを羽を広げる映像が映し出される。
【YouTube】日本テレビ 鳩の休日 歴代映像集
テレビ開局当時に作られた時代を感じさせる古い映像のためか、Google検索で「鳩の休日」と検索すると、第2検索ワードに「怖い」と表示されるようで、現代の視聴には若干シュールな印象を与えているようだ。
2014年1月以降は、日本テレビのキャッチフレーズ(日テレ ビジョン)が「見たい、が世界を変えていく。」へリニューアルされたタイミングに合わせ、開局以来の伝統であった「鳩の休日」はその役割を終えることになった。
原曲は映画音楽サントラ
日テレ「鳩の休日」で流れる音楽を作曲したのは、昭和初期から戦後まで活躍した作曲家・深井 史郎(ふかい しろう/1907-1959)。クラシック音楽から映画音楽、歌曲、校歌まで幅広い作品を残した。
映画音楽では、1944年11月に公開された時代劇・アクション映画「かくて神風は吹く」サントラも手掛けており、その中の一曲が日テレ「鳩の休日」BGMとして転用されたという。
中国をイメージさせる独特のメロディ
映画「かくて神風は吹く」は、13世紀後半に当時の中国王朝・元(げん)が日本を属国化しようとした際、これを拒絶した時の鎌倉幕府執権・北条時宗率いる日本に対して、大船団で攻め込んだ歴史上の出来事、いわゆる「元寇(げんこう)」を題材とした作品。
中国が関連する映画のサントラということで、それが転用された日テレ「鳩の休日」の音楽も、中国をイメージさせるようなメロディ進行が用いられているように感じられる。
なお、「かくて神風は吹く」を収めたビデオテープやDVDもかつて限定的に発売されていたようだが、現在では入手困難となっている。衛星放送・BS・CSテレビ系で探してみると、近年では2013年8月23日にBSスカパーにて無料放送されていたようだ。再放送を期待したい。
ガキの使いやあらへんで罰ゲームで「鳩の休日」
お笑いコンビ・ダウンタウンの浜田雅功と松本人志が出演する日本テレビのバラエティ番組「ダウンタウンのガキの使いやあらへんで」では、1993年の正月、対決シリーズの罰ゲーム「局タイトルのハトになってクルックー!!」として、日テレ「鳩の休日」が流れる映像で松本人志が1分間ハトに扮するという一回限りの特別放送が行われた。
ジャケット写真:ダウンタウンのガキの使いやあらへんで! Blu-ray
曲名を告知する「鳩の休日」映像が描かれたボートの前に立ち、BGMがまったくない状態で、松ちゃんがアドリブで「♪俺は~俺は~、バカなのか~アホなのか~♪」とアカペラでメロディを口ずさみながら、ハトの羽をゆっくりと上下に羽ばたかせるという非常にシュールな映像が放送された。
「この後は、『早見優のアメリカンキッズ』でーす。見てねー(笑)」との今となっては大変懐かしい番組告知も付け加えられ、スタッフの笑いを誘っていた。
【YouTube】罰ゲーム 松っちゃん 鳩の休日
アナログ放送終了の瞬間にも放送
地上デジタルテレビ放送への移行に伴い、2011年7月24日に終了したアナログ放送。この日の正午からアナログ放送画面にはブルーバックの告知画面が表示され、23時59分で完全停波し砂嵐に切り替わったのだが、その1分前の23時58分、日本テレビではカラー・モノラル版「鳩の休日」が1分間放送された。
最後には「58年間 ありがとうございました」とのテロップも表示され、アナログ放送の歴史が幕を閉じる瞬間が、日本テレビ開局時に最初に流れた伝統の映像で見事に締めくくられた。日テレの社史を語るうえで欠かせないこの「鳩の休日」の復活を望む声も少なくない。
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