江戸を斬る 主題歌『ねがい』西郷輝彦
たとえ今日の夢が壊れ去っても 生きていくのか 明日を
西郷輝彦『ねがい』は、テレビドラマ時代劇「江戸を斬る」シリーズの主題歌。1975年11月スタートの第2部から用いられた。
「江戸を斬る」第2部では、元祖・御三家の一人、西郷輝彦が遠山金四郎(いわゆる遠山の金さん)役で主演し、松坂慶子がヒロインのおゆきを演じた。
ジャケット写真:江戸を斬る II [DVD]
作詞は、水戸黄門 主題歌『あゝ人生に涙あり』、『翼をください』、『ガンダーラ』などを手掛けた山上路夫(やまがみ みちお/1936-)。
作曲は、『見上げてごらん夜の星を』、『手のひらを太陽に』、『いい湯だな』など数多くのヒット曲で知られる作曲家のいずみたく(1930-1992)。
【YouTube】西郷輝彦『ねがい』
ドラマ「遠山の金さん」との違いは?
西郷輝彦が遠山金四郎を主演した「江戸を斬る」シリーズが始まったのは1975年11月。その1か月前には、杉良太郎主演のテレビドラマ「遠山の金さん」が別の曲で放送がスタートしていた。
どちらも江戸北町奉行「遠山左衛門尉(さえもんのじょう)」を主人公とした時代劇であり、後発の「江戸を斬る」としては、先発の「遠山の金さん」と何らかの差別化を図る必要が出てくる。
写真:江戸を斬る II [DVD]より(出典:Amazon.co.jp)
西郷輝彦「江戸を斬る」と杉良太郎「遠山の金さん」の大きな違いとしては、クライマックスで桜吹雪の刺青を見せつけるか否かに表れているように感じられる。
杉良太郎「遠山の金さん」では、毎回番組後半に奉行所で正体を明かす際、啖呵を切りながら桜吹雪の刺青を見せつけるが、西郷輝彦「江戸を斬る」では滅多に彫り物を見せることはなかった。
「江戸を斬る」では、遠山金四郎は自身のトレードマークとも言うべき桜吹雪の彫り物を「若気の至り」と恥じており、それを衆目にさらすことは恥であるとの設定がなされていたようだ。
これは、時代劇の撮影における刺青は、撮影の度に数時間もかけて直接肌に絵を描いて再現するという非常に手間がかかるものであったため、演者の負担を減らすという目的もあったようだ。
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