日本文化センターの歌

日本文化センター テレフォンショッピングの電話番号ソング

『日本文化センターの歌』は、朝の情報番組・ワイド番組などのCM中に流れる通信販売番組「日本文化センター テレフォンショッピング」において、申し込み用の電話番号が伝えられる際に流れるCMソング・サウンドロゴ(ジングル)。

日本文化センター テレフォンショッピング

1970年代後半からテレビ放送されている番組だけあって、メロディや女性コーラスのアレンジも昭和を感じさせるレトロな雰囲気だが、今となっては逆にそのレトロ感が独特の雰囲気と存在感を醸し出している。

メロディの作曲者は、JASRACデータベースによれば、『ロボタンの歌』、『九九のうた』などを手掛けた小倉 靖という名前が登録されていた。

小倉 靖氏の作品は子供向けの歌が多かったが、この『日本文化センターの歌』に加えて『サッポロ一番塩ラーメン』の曲名も登録されており、CMソング界でも大きなヒット曲を残しているようだ。

【YouTube】日本文化センターCM集

印象深いメロディの特徴は? 後半の脱力パートにあり

半世紀近く続く『日本文化センターの歌』は、電話番号をメロディとともに覚えやすくするキャッチーなCMソングとして、長年多くの人々に愛され続けている。

思うに、『日本文化センターの歌』のメロディが人々に強く印象付けられる大きな要素は、電話番号を告げる明るい部分ではなく、最後に社名を告げるパートの少し物寂しい感じのメロディにあるのではないだろうか?

「0120~♪」と明るく始まり、「2222~♪」で最高潮に達したメロディは、社名パートで急速に脱力するかのようなエンディングを迎える。

この脱力感・けだるさは、まるで暑い夏にプールで楽しく泳いだあとのぼんやりした感じや、花火大会が終わって最寄りの駅まで歩いて帰るときのちょっと切ない感じにも負けないぐらいの、一種独特のぼんやりとした喪失感や寂しさを視聴者に感じさせてくれる。

寂しさや切なさといった人間の柔らかい情緒に訴えかけるメロディは、意外と記憶に残りやすい。直前の明るい電話番号のパートだけではここまで深い印象にはなりにくいだろう。

明るいパートの直後に少し切ない脱力メロディが組み合わされることによって、緩急とメリハリが曲全体を強烈に浮かび上がらせ、短い時間で視聴者の脳裏に強く訴えかけることができるのではないか。これを狙って作曲したとすれば、小倉 靖氏はかなりの策士だと言えよう。

ちなみにこの緩急テクニックは、『サッポロ一番塩ラーメン』のサウンドロゴにも使われているのが分かる。「サッポロ一番♪」と明るく上昇したところで、直後に「塩ラーメン♪↓」と急に軽く陰鬱な脱力パートがあらわている。

全国各地の市外局番バージョン まとめ動画

2005年にフリーダイヤル0120で統一されるまでは、全国各地の市外局番の長さに応じて微妙にメロディが異なっていた。

通常は自分の住んでいる以外の地域用のメロディを聴く機会はないが、YouTubeなどの動画投稿サイトに全国各地のメロディをまとめた動画がアップされているので、比較して聞いてみると、とても興味深く味わい深い。

【YouTube】日本文化センター 全国の電話番号 2012年版

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