アーロン・ザイトリンとは?Aaron Zeitlin
『ドナドナ』を作詞したニューヨークのユダヤ系作家
アーロン・ザイトリン(Aaron Zeitlin/1898–1973)は、ユダヤ系の詩人・文学者。『ドナドナ』の作詞者とされている。
現在のベラルーシやリトアニアで幼少期を過ごし、1918年に第一次世界大戦が終結しポーランドが独立した後は、ポーランドの首都ワルシャワなどで活動。若い頃から文学的才能を現し、子供向け雑誌に寄稿もしていた。
写真:ポーランドの首都ワルシャワ 王宮前広場(出典:Wikipedia)
父親は、詩人で思想家のヒレル・ザイトリン(Hillel Zeitlin/1871–1942)。父ヒレルの最期については、イツハク・カツェネルソンが記した書籍「滅ぼされたユダヤの民の歌」の中にも記述がある。
大戦直前にニューヨークへ移住 ドナドナ誕生
1939年3月、イディッシュ語の劇作家モーリス・シュワルツ(シュヴァルツ Maurice Schwartz/1889–1960)に招かれ、アーロン・ザイトリンは単身でニューヨークに移住した。
写真:ニューヨーク ブロードウェイ(出典:Wikipedia)
翌年の1940年には、ポーランドの歴史的人物を題材としたミュージカル「Esterke エスターケ(エスターク/エステルク/エステルケ) 」を執筆。劇中歌として今日知られる『ドナドナ』の原曲が誕生した。
フォーク・リバイバル時代に女性歌手ジョーン・バエズのカバーで『ドナドナ』がフォークソングとしてヒットしたのは、それから20年後の1961年のことである。
なお、アーロン・ザイトリンがニューヨークに移住した半年後の1939年9月に第2次世界大戦が勃発。彼は祖国へ戻れなくなり、その後家族と二度と再会することはできなかった。
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