メキシカン・ハット・ダンス

キダ・タロー「アホの坂田」テーマ原曲

『メキシカン・ハット・ダンス Mexican Hat Dance』は、メキシコの伝統的なダンス。原曲名は『Jarabe Tapatio（ハラベ・タパティーオ）』。

スペイン語で「Jarabe（ハラベ）」はダンスの一種、「Tapatio（タパティーオ）」はメキシコのハリスコ州（Jalisco）を意味する。

ハラベ・タパティーオを踊るメキシコのダンサー

写真：ハラベ・タパティーオを踊るメキシコのダンサー（出典：Wikipedia）

メロディーは19世紀に作曲され、ダンスは20世紀初頭に標準的な振り付けが確立されたという。

吉本興業のお笑い芸人・坂田利夫が舞台に登壇する際のテーマ曲・出囃子（でばやし）といえば、「♪アホ、アホ、アホの坂田♪」が歌いだしの『アホの坂田のテーマ』が有名だ。

作曲者は、『バラエティー生活笑百科』テーマ曲や、『かに道楽』、日清『チキンラーメン』、『出前一丁』CM曲などを手掛けた「浪花のモーツァルト」ことキダ・タロー氏。

ジャケット写真：浪花のモーツァルトキダ・タローのほんまにすべて／「アホの坂田」テーマ収録

『アホの坂田のテーマ』は1972年8月にレコード発売されるなど人気の曲となり、一時は高校野球の開幕式で入場行進曲として起用の計画もあったという。

ところで、同曲の冒頭「♪アホ、アホ、アホの坂田♪」の部分については、『メキシカン・ハット・ダンス Mexican Hat Dance』が原曲・元ネタではないかと長年ささやかれてきた。

2017年現在でも、JASRACデータベースではキダ・タロー氏が『アホの坂田のテーマ』の「作曲者」として明示されているが、両曲の関係性については、すでにキダ・タロー氏本人も認めている。

生誕78年記念番組で本人が指揮者となって『アホの坂田のテーマ』を演奏した際には、色鮮やかなメキシコの民族衣装を着た女性たちが登場し、『メキシカン・ハット・ダンス Mexican Hat Dance』が原曲であることを明示するかのように、華やかなメキシコの伝統的なダンスを踊っていた。