風とケーナのロマンス
Romance De Viento y Quena
フォルクローレ/ケーナよ歌え 風の息吹に燃えあがる恋をのせて
『風とケーナのロマンス Romance De Viento y Quena』は、ギタリストのホセ・ラミレス・トーレス作曲によるフォルクローレの定番曲。ケーナ愛好者にも人気が高く、コンサートなどでの演奏機会も多い。
とある伝説によれば、これはフォルクローレ『風とケーナのロマンス』の背景にもなっているようだが、ケーナという楽器には、身分違いの恋に苦しんだ二人の男女の哀しい物語があるようだ。
インカ帝国の遺跡マチュ・ピチュ(Machu Picchu)
むかしむかし、15世紀前後に南アメリカで栄えたインカ帝国にはケーナという美しい皇女がいたそうな。年頃の皇女ケーナは、皇族を守る青年の兵士に恋をしたが、身分の違いに二人の恋は引き裂かれ、兵士は遠くの地へ追放されてしまった。
恋人を失った悲しみのあまり、皇女ケーナは病を患い、そのまま命を落としてしまった。彼女の死は、追放された青年には知らされることはなかった。
数年後、青年が皇女ケーナのいた地へ戻ってくると、そこで初めて彼女が亡くなったことを知らされ、青年は大変嘆き悲しんだ。彼女の墓を訪ねると、彼女の遺骨が風を受けて、まるですすり泣くかのように物悲しい音を立てていたという。
青年は、風を受けて悲しく鳴くその骨を拾い上げ、笛のように楽器に見立てながら、皇女ケーナとの叶わなかった恋をしみじみと思い返しながら、彼女への弔いの歌を捧げるのだった…
【YouTube】Micaela Chauque Romance de Viento y Quena
【YouTube】Romance De Viento y Quena / 風とケーナのロマンス
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