はしれちょうとっきゅう(走れ超特急)
ビュワーン ビュワーン 走る 青いひかりの超特急
「ビュワーン ビュワーン 走る」が歌い出しの『はしれちょうとっきゅう』(走れ超特急)は、1967年(昭和42年)にNHK子供向け音楽番組「うたのえほん」で放送された楽曲。
1964年10月1日、 世界初の高速鉄道である東海道新幹線が開業し、同月10月10日には東京オリンピックが開催された。『はしれちょうとっきゅう』は、言うまでもなくこの東海道新幹線を題材としている。
写真:新幹線N700系(出典:Wikipedia)
作詞は、「あばれはっちゃく」シリーズ、「おれがあいつであいつがおれで」!児童文学作家の山中 恒(やまなか ひさし/1931-)。ドラマ版「あばれはっちゃく」主題歌の作詞も手掛けている。
作曲は、1998年のNHK大河ドラマ「徳川慶喜」(主演:本木雅弘)サントラを手掛けた湯浅 譲二(ゆあさ じょうじ/1929-)。
【YouTube】 はしれちょうとっきゅう
歌詞の表現について
『はしれちょうとっきゅう』の歌詞では、当時における夢の超特急・新幹線がどのように表現されているのだろうか?
『はしれちょうとっきゅう』全体の歌詞を次のとおり引用する。
ビュワーン ビュワーン 走る
青いひかりの 超特急
時速250キロ
すべるようだな 走る
ビュワーン ビュワーン
ビュワーン 走るビュワーン ビュワーン 走る
まるいひかりの ボンネット
時速250キロ
とんでくようだな 走る
ビュワーン ビュワーン
ビュワーン 走る<引用:山中 恒『はしれちょうとっきゅう』歌詞>
まず目につくのは、「ビュワーン ビュワーン」というユニークなスピードの表現・オノマトペ(擬音語・擬態語)。ビューンと風を切りながら、目の前をブワッと凄まじいスピードで通り抜けていくような表現だろうか。
『はしれちょうとっきゅう』が放送された1967年は、特撮テレビドラマ「ウルトラマン」が初回放送されており、ヒーローのウルトラマンが発する「シュワッ」「シュワッチ」などの掛け声からの影響もあるかもしれない。
「青いひかりの超特急」の「青」は車体の(一部の)色、「ひかり」は新幹線の特急列車である「ひかり号」の「ひかり」を指している。
写真:世界初の高速鉄道・新幹線0系電車(出典:Wikipedia)
時速250キロについて
『はしれちょうとっきゅう』が発表されたころの新幹線は、通常営業時における最高速度が時速210キロだった。
開業前の1963年には、速度向上試験において時速256キロの国内速度記録を達成しており、『はしれちょうとっきゅう』の「時速250キロ」とはこの試験時の最高速度を指していることになる。
その後新幹線は速度向上が進み、東海道新幹線で営業運転時に時速270キロ、山陽新幹線区間で時速300キロ、東北新幹線区間で時速320キロに到達している。
リニア中央新幹線は時速600キロ
2027年に先行開業予定のリニア中央新幹線では、新幹線で初となる超電導磁気浮上式リニアモーターカー「超電導リニア」の採用により、直線ルートで最高時速505キロが可能となっている。さらに、走行試験での最高速度は時速603キロを記録している。
写真:リニア中央新幹線(出典:Wikipedia)
全線開業は最短で2037年を予定しており、東京・大阪間最速67分で結ぶと試算されている。
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