秋の歌 チャイコフスキー
ピアノ曲集『四季』より 10月
チャイコフスキー(Pyotr Ilyich Tchaikovsky/1840-1893)
チャイコフスキー『秋の歌』は、ロシアの風物詩を毎月ごとに描写した全12曲のピアノ曲集『四季』における10番目の曲(10月の歌)。ニ短調(D minor)。
『四季』はもともと音楽雑誌に毎月掲載される連載物として企画され、それぞれの月の季節感を念頭においたロシアの詩人による詩と合わせてチャイコフスキーの曲が掲載された。
10月については、チャイコフスキー『秋の歌』とともに、アレクセイ・ニコラエヴィチ・トルストイによる次のような詩が掲載された。
Осень, осыпается весь наш бедный сад,
Листья пожелтелые по ветру летят...
Autumn, our poor garden is all falling down,
the yellowed leaves are flying in the wind.
わたしたちの庭から秋が
金色の木の葉の飾りを奪った
そして木の葉はゆっくりと
林の中を風にはためいて行く
アレクセイ・ニコラエヴィチ・トルストイ(Aleksey Nikolayevich Tolstoy/1883-1945)
【YouTube】Alexei Sultanov - Tchaikovsky ''Autumn song''
【YouTube】オーケストラ版 チャイコフスキー『秋の歌』
「おおきなかぶ」再話で知られるA.N.トルストイ
なお、「トルストイ」という名前からは、『戦争と平和』、『アンナ・カレーニナ』、『復活』などの代表作で有名なレフ・トルストイ(Lev Nikolayevich Tolstoy/1828-1910)が思い出されるが、このチャイコフスキー『秋の歌』とともに掲載された詩の作者は、このレフ・トルストイとは別人。
『秋の歌』の詩を書いたアレクセイ・ニコラエヴィチ・トルストイ(Aleksey Nikolayevich Tolstoy/1883-1945)は、SFと歴史小説を主な専門とするロシアの小説家。
このA.N.トルストイによる有名な作品としては、ロシア民話「おおきなかぶ Репка」を子供向けの読み物・童話として書き直した再話物が広く知られており、日本の福音館書店などから出版されている「おおきなかぶ」の絵本などは、このA.N.トルストイによる再話版に基づいている。
出版社: 全音楽譜出版社; 菊倍版 (2008/12/1) |
関連ページ
- チャイコフスキーの有名な曲・代表曲
- 『くるみ割り人形』、『ピアノ協奏曲第1番』、『ヴァイオリン協奏曲』など、ロシアの作曲家チャイコフスキーの有名な曲・代表曲の解説と視聴
- 有名なロシア民謡・歌曲
- 「カチューシャ」、「トロイカ」、「カリンカ」など、有名なロシア民謡・歌曲の解説と視聴、歌詞・日本語訳