恋とはどんなものかしら 歌詞の意味・和訳 フィガロの結婚
思いを寄せる伯爵夫人に歌い上げる思春期の少年ケルビーノ
『恋とはどんなものかしら』(Voi, Che Sapete)は、モーツァルト作曲の歌劇『フィガロの結婚(Le Nozze di Figaro, K.492)』第2幕第3場で歌われるアリア。
伯爵の小姓で思春期の少年ケルビーノが、密かに思いを寄せる伯爵夫人のために、自作の歌を懸命に歌い上げる。イタリア語の歌詞と意味・和訳は後掲する。
歌劇『フィガロの結婚』のストーリーは、貴族に仕える家臣フィガロの結婚式をめぐる事件を通じて、封建的な貴族を痛烈に批判する内容。
このため、皇帝のお膝元ウィーンでの初演はあまり評判が良くなかったという。その後、当時オーストリア領だったボヘミア(現在のチェコ)の首都プラハの歌劇場では大ヒットを記録した。
序曲は流麗かつ華麗な曲調で、現代ではモーツァルトの序曲の中で一・二を争うほどの人気があり、コンサートでは序曲単独で演奏されることも多い。2006年のニューイヤーコンサートではモーツァルト生誕250周年記念の特例として演奏された。
【YouTube】恋とはどんなものかしら 歌劇『フィガロの結婚』より
歌詞の意味・和訳(意訳)
Voi che sapete che cosa è amor
Donne, vedete s’io l’ho nel cor
あなた方は 恋とは何かを知っている
ご婦人方 確かめてください
僕の心にそれがあるかどうかを
Quello ch’io provo vi ridirò
È per me nuovo, capir nol so
感じていることを伝えます
初めてのことなので
それが何だか分からないのです
Sento un affetto pien di desir
Ch’ora è diletto, ch’ora è martir
感じる愛情は 欲望に満ちていて
ある時は喜びに ある時は苦しみに
Gelo, e poi sento l’alma avvampar
E in un momento torno a gelar
凍えるかと思えば
魂が熱く燃え上がり
そしてすぐに また凍りつく
Ricerco un bene fuori di me
Non so chi ’l tiene, non so cos’è
自分の外側に良いものを探しているが
誰がもっているのか
それが何なのか分からないのです
Sospiro e gemo senza voler
Palpito e tremo senza saper
思わず ため息をついたり うめいたり
ときめいたり 震えたり
知らないうちに
Non trovo pace notte né dì
Ma pur mi piace languir così
昼も夜も 安らぎはないけど
こうして思い悩むことが好きなのです
Voi che sapete che cosa è amor
Donne, vedete s’io l’ho nel cor
あなた方は 恋とは何かを知っている
ご婦人方 確かめてください
僕の心にそれがあるかどうかを
キユーピー3分クッキング テーマ曲にも
料理番組「キユーピー3分クッキング」では、中部日本放送(CBC)版において、1974年4月から1998年3月末までは、モーツァルト『恋とはどんなものかしら』のオルガン演奏バージョンが使用されていた
現在では、日本テレビ版と同じイェッセル作曲『おもちゃの兵隊の観兵式』(おもちゃの兵隊のマーチ)がテーマ曲に使用されている。
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