ドン・ファン Don Juan
17世紀スペインの伝説上のプレイボーイ
ドン・ファン(Don Juan)は、17世紀スペインの伝説上のプレイボーイ(女たらし)。フランス語ではドン・ジュアン、イタリア語ではドン・ジョヴァンニと呼ばれる。
伝説によれば、ドンファンは貴族の娘に手を出し、娘の父親を殺めるが、亡霊となった父親に地獄へ落とされるというストーリーが伝えられている。
その個性的で強烈なキャラクターは、モーツァルトやリヒャルト・シュトラウスらのクラシック音楽家らによってオペラや交響詩の題材と成り、現代ではアメリカやフランスなどで映画の題材・モチーフとして用いられている。
クラシック音楽作品について
モーツァルト オペラ『ドン・ジョヴァンニ』
モーツァルトは1787年にドン・ファンの伝説を題材としたオペラ『ドン・ジョヴァンニ Don Giovanni』を作曲している。
スペイン・セビリアを舞台としたオペラ作品だが、イタリア出身の詩人ロレンツォ・ダ・ポンテが台本を書いているため、スペイン語の「ドン・ファン」ではなくイタリア語の「ドン・ジョヴァンニ」となっている。
リヒャルト・シュトラウス 交響詩『ドン・ファン』
交響詩『ツァラトゥストラはこう語った』で知られるドイツの作曲家リヒャルト・シュトラウスは、1888年に交響詩『ドン・ファン』を作曲している。
ドン・ファンを主題としたニコラウス・レーナウの詩に基づく内容で、ドン・ファンのロマンスと悲劇が絵画的・ドラマチックに表現されている。
ちなみに同曲の一部は、2006年頃にNHK「N響アワー」オープニング曲として使われていた。
映画について
1973年のフランスでは、ブリジット・バルドー(Brigitte Bardot/1934-)主演によるイタリアとの合作映画「ドンファン Don Juan ou Si Don Juan était une femme...」が公開された(日本未公開)。
「ドン・ファンがもし女だったら」とサブタイトルにあるように、フランスのマリリン・モンローと賞賛されるブリジット・バルドーが女性版ドンファンを熱演した。
1995年のアメリカでは、ジョニー・デップがドン・ファンの生まれ変わりを演じたコメディー・ラブロマンス映画「ドンファン Don Juan Demarco」が公開され、アカデミー賞、ゴールデングローブ賞にノミネートされた。
ポケモンのドンファンとの関係について
任天堂のゲームシリーズ「ポケットモンスター」に登場する架空の生物「ポケモン」の中には、「ドンファン」という象をベースとしたキャラクターが登場する。
ドンファンは「ポケットモンスター金・銀」で初登場したポケモン。子供のゾウにたキャラクターの「ゴマゾウ」がレベル25でドンファンに進化する。
名前の由来については、「ドン」は重い足音または「首領・ボス」を意味する「ドン」、「ファン」は象の英語名であるエレファント(Elephant)から取られているという。
関連ページ
- ドン・ジョヴァンニ(モーツァルト)
- モーツァルトによるドン・ファンの伝説を題材とした1787年のオペラ