無言歌集 メンデルスゾーン

『春の歌』で有名なピアノ独奏のための作品集

『無言歌集 Lieder ohne Worte』は、メンデルスゾーンが生涯にわたって作曲したピアノ独奏のための作品集。全8巻からなり、各巻6曲ずつで合計48曲が収められている。

特に有名なのが、「無言歌集」第5巻 作品62に収められた『春の歌 Frühlingslied』。これはメンデルスゾーン自身が命名した標題ではないが、楽譜の冒頭に記された「春の歌のように Frühlingslied genannt」という発想標語から命名された。

ちなみに、「無言歌集」全48曲の中で、メンデルスゾーン自身が標題をつけた作品は、『ヴェネツィアの舟歌』3曲、『デュエット』、『民謡』の5曲のみである。

また、『葬送行進曲』、『紡ぎ歌』、『子守歌』の3曲については、『春の歌 Frühlingslied』と同様に、楽譜の冒頭に記された発想標語から命名されている。

残りの作品については、楽譜出版社などが曲想から独自に命名した標題が用いられている。

第1巻 作品19

甘い思い出
アンダンテ・コン・モート/ホ長調
後悔
アンダンテ・エスプレッシーヴォ/イ短調
狩の歌
モルト・アレグロ・エ・ヴィヴァーチェ/イ長調
ないしょの話(内緒話)/信頼
モデラート/イ長調
不安/眠れぬままに
ピアノ・アジタート/嬰ヘ短調
ヴェネツィアの舟歌 第1 Venetianisches Gondellied
アンダンテ・ソステヌート/ト短調

第2巻 作品30

瞑想
アンダンテ・エスプレッシーヴォ/変ホ長調
心配/安らぎもなく
アレグロ・ディ・モルト/変ロ短調
慰め
アダージョ・ノン・トロッポ/ホ長調/聖歌『しずかに神と』、讃美歌『朝風しずかに吹きて』原曲
さすらい人/道に迷って
アジタート・エ・コン・フォコ/ロ短調
小川
アンダンテ・グラツィオーソ/ニ長調
ヴェネツィアの舟歌 第2 Venetianisches Gondellied
アレグレット・トランクィロ/嬰ヘ短調

第3巻 作品38

宵の明星
コン・モート/変ホ長調
失われた幸福
アレグロ・ノン・トロッポ/ハ短調
詩人の竪琴
プレスト・エ・モルト・ヴィヴァーチェ/ホ長調
希望
アンダンテ/イ長調
情熱
アジタート/イ短調
デュエット Duett
アンダンテ・コン・モート/変イ長調/上声部と下声部による二重奏

第4巻 作品53

海辺で/浜辺で
アンダンテ・コン・モート/変イ長調
浮き雲
アレグロ・ノン・トロッポ/変ホ長調
胸騒ぎ
プレスト・アジタート/ト短調
心の悲しみ/悲しい心
アダージョ/ヘ長調
民謡 Volkslied
アレグロ・コン・フォコ/イ短調
飛翔/勝利の歌
モルト・アレグロ・ヴィヴァーチェ/イ長調

第5巻 作品62

5月のそよ風
アンダンテ・エスプレッシーヴォ/ト長調
出発
アレグロ・コン・フォコ/変ロ長調
葬送行進曲 Trauermarsch
アンダンテ・マエストーソ/ホ短調
朝の歌
アレグロ・コン・アニマ/ト長調
ヴェネツィアの舟歌 第3 Venetianisches Gondellied
アンダンテ・コン・モート/イ短調
春の歌 Frühlingslied
アレグレット・グラツィオーソ/イ長調

第6巻 作品67

瞑想/期待
アンダンテ/変ホ長調
失われた幻影/失われた夢
アレグロ・レジェーロ/嬰ヘ短調
巡礼の歌
アンダンテ・トランクィロ/変ロ長調
紡ぎ歌 Spinnerlied/蜜蜂の結婚
プレスト/ハ長調
羊飼いの嘆き
モデラート/ロ短調
子守歌 Wiegenlied
アレグレット・ノン・トロッポ/ホ長調

第7巻 作品85 遺作

夢/夜曲
アンダンテ・エスプレッシーヴォ/ヘ長調
別れ
アレグロ・アジタート/イ短調
狂乱/熱狂
プレスト/変ホ長調
エレジー
アンダンテ・ソステヌート/ニ長調
帰郷
アレグレット/イ長調
旅人の歌
アレグレット・コン・モート/変ロ長調

第8巻 作品102 遺作

家もなく/寄るべなく
アンダンテ・ウン・ポコ・アジタート/ホ短調
追憶
アダージョ/ニ長調
タランテラ
プレスト/ハ長調
そよ風
ウン・ポコ・アジタート、マ・アンダンテ/ト短調
子供の小品
アレグロ・ヴィヴァーチェ/イ長調
信仰
アンダンテ/ハ長調

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