サリマライズ
合唱曲/原曲:南アフリカ愛唱歌『サリーマレー Sarie Marais』
『サリマライズ』は、南アフリカ共和国の愛唱歌『サリーマレー Sarie Marais』を原曲とする日本の合唱曲。関西圏の合唱団に人気がある。
歌い出しの歌詞は「我がもと 離れ去り行ける 懐かしき友よ」(作詞:森田久男)。旧友との再会を喜びかみしめる内容となっている。
【YouTube】サリマライズ 中村仁策編曲 混声合唱
歌詞(作詞:森田久男)
我がもと 離れ去り行ける 懐かしき友よ
いま再び帰り来たる 我等の元へああ懐かしきかな いざ歌わん
麗し花は 野に山に満ち 小鳥も歌う
小川のせせらぎも 楽しげに我等と歌う
シベリア収容所で歌っていたオランダ兵
『サリマライズ』の原曲である『サリーマレー Sarie Marais』が歌われている南アフリカ共和国は、かつてオランダによって統治されていた。同曲の歌詞はオランダ語から派生したアフリカーンス語で書かれているのもその名残である。
第二次世界大戦中、ドイツに占領されたオランダの兵はロシア軍の捕虜となり、シベリア送りとなった。大勢の日本兵も捕らわていたシベリア収容所では、朝の点呼の際に、オランダ兵たちが『サリーマレー Sarie Marais』を声をそろえて歌っていたという。
神戸中央合唱団の指揮者として戦後活躍した中村仁策氏は、当時シベリア収容所に抑留されており、オランダ兵たちが同曲を歌う様子を現場で目の当たりにしていた。
中村氏はオランダ兵からこの曲を教わり、配給された巻きタバコの紙に五線譜を書き留めて密かに保管し、戦後に日本へ持ち帰ることができたという。
多くの日本人がシベリアで命を落とす中、無事に故郷へ帰りつき家族や友人と再会を果たした中村氏。その喜びが『サリマライズ』の日本語歌詞に表されているようで非常に感慨深い。
その後『サリマライズ』は神戸中央合唱団の重要なレパートリーの一つとなり、現在でも関西圏の合唱団を中心に合唱曲の名曲として愛唱されている。
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