バレンタインデー 由来・ルーツは?

2月の年間行事/年中行事・記念日カレンダー

2月14日はバレンタインデー。その由来・ルーツ・歴史的背景については、4~5世紀頃のローマ帝国とキリスト教の国教化という視点が重要になると思われる。簡単に流れをまとめてみた。

なお、日本独自の文化である「チョコレートを渡す」イベント、つまり女性が男性にチョコレート(本命・義理)をバレンタインデーに贈るという年中行事の由来やルーツについては、こちらのページ「なぜチョコレートをバレンタインデーに贈るの?」でまとめているので適宜参照されたい。

ローマ帝国におけるキリスト教の国教化

4世紀頃のローマ帝国では、それまでのミトラス教(ミトラ教)に代わり、キリスト教が水面下で広まりを見せていた。

313年、ローマ皇帝コンスタンティヌス1世とリキニウスが連名で発布したとされる「ミラノ勅令」により、キリスト教は他の宗教と共に信教の自由が保障されると、ついに380年、テオドシウス帝によりキリスト教はローマ帝国の国教として宣言された。

異教由来の文化・祭典の廃止・取り込み

ローマ帝国においてキリスト教が布教を進めていくにあたって、古代の異教に由来する文化や祭典は、大きく分けて、廃止されるか、キリスト教的再解釈を与えられて形を変えて取り込まれるかのいずれかの運命をたどった。

一体どのような古代の文化が影響を受けたのだろうか?一例として、今日でも有名な古代の祭典・イベントについて簡単に触れてみよう。

古代オリンピックの廃止

古代ギリシアで4年に1度開催されていた古代オリンピック「オリュンピア大祭」。392年にキリスト教以外の宗教が禁じられたことに伴い、紀元前9世紀から続いたとされるギリシアの祭典はその歴史を閉じた。

その後、近代オリンピックが開催されたのは、古代オリンピックが廃止されてから1500年以上後の1896年の事である。

ミトラ教の冬至祭(12月25日)をクリスマスへ

クリスマスローマ帝国においてキリスト教が国教化される以前は、太陽神ミトラス(ミスラス)を主神とするミトラ教が大きな勢力を持っていた。

ミトラ教では、12月25日の冬至に「ナタリス・インウィクティ」と呼ばれる冬至祭があったが、この祭典はキリストの降誕を祝う祭日として取り込まれ、現代のクリスマスにつながっている。

ルぺルカリア祭はバレンタインデーへ

古代ローマでは2月15日、結婚の女神ユノや豊穣の神マイアを崇拝する「ルぺルカリア祭」が行われていた。祭りの行事として、未婚の男女をくじ引きでカップリングする風習があったという。

キリスト教の国教化(4世紀)に伴い、ルぺルカリア祭の前日(2月14日)に殉教したとされる3世紀頃の聖ウァレンティヌス(バレンタイン)の伝説が持ち出され、ルぺルカリア祭は、2月14日に聖ウァレンティヌスを祝う祭日「バレンタイン・デー」と置き換えられた。

男女のロマンスに焦点が当てられた今日の「バレンタイン・デー」の文化は、未婚の男女をカップリングしていたルぺルカリア祭が由来・ルーツと考えられているようだ。

なお、ウァレンティヌスが殉教したという伝説の詳細、現代のバレンタインにつながるエピソードについては、こちらのページ「ウァレンティヌスの伝説とバレンタインデー」を適宜参照されたい。

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