写真を撮るときの掛け声 世界・海外では?
はいチーズ!、スパゲッティ!、ウィスキー!
人物の写真を撮るときに、カメラのシャッターを切るタイミングを知らせたり、笑顔を作りやすくするため掛け声について、日本やアメリカをはじめとした世界各国・海外の主な掛け声を簡単にまとめてみた。
日本でかつて定番とされていた「はい、チーズ!」については、こちらのページ「いチーズ!英語の意味・由来は?写真の撮影」で詳しく解説しているので是非参照されたい。
日本
日本での写真を撮るときの掛け声は、古典的なものとしては「はい、チーズ!」、「はい、バター」、「スパゲッティ」などがある。
こうした定番の表現は世代や地域によって認知度に差があるので、カメラマンと被写体にジェネレーション・ギャップがあると、恥ずかしい思いをする危険がありそうだ。
そんなときは、「撮るよー」、「いきまーす」、「はい、笑ってー」、「はーい、撮りまーす、3、2、1」などと一般的な掛け声で済ませておくのが無難かもしれない。
被写体と親しい場合は、「1+1は?」「2(にー)!」などの会話型の掛け声も使えるだろう。
アメリカ・英語圏
日本の「はい、チーズ!」は、アメリカの「Say cheese!」(セイ・チーズ!)に由来している。
日本との違いは、アメリカではカメラマンが「Say cheese!」と言ったら、写る人たちも「Cheese! チーズ!」と答える点。「チー」の発音時に口角が上がり笑顔になるという意味(効果)がある。
アメリカではこの他にも、写真撮影時に次のような掛け声がある。
Say one two three!
セイ・ワン・ツー・スリー!(意味:1・2・3って言って!)。チーズと同じく、スリーの「リー」の発音時に口角が上がり笑顔になる。
Are you ready? Smile!
アーユーレディ?スマイル!(意味:準備は良い?笑って!)
Three, two, one, Smile!
スリー・ツー・ワン、スマイル!(意味:3・2・1、笑って!)
Watch the birdie!
ウォッチ・ザ・バーディ(意味:この小鳥さんを見て!)。小さい子供たちの視線をカメラに向けるために、かつては小鳥の人形(模型)を使って子供たちの気を引いていた。現代ではあまり使われない。
フランス
フランスでの写真撮影時の掛け声としては「Ouististi(ウィスティティ)」が知られている。
「Ouististi(ウィスティティ)」は、キヌザル科キヌザル属に属する小型のサルの総称で、英語圏ではマーモセットと呼ばれる。
「ティティ」の発音で口角が上がり笑顔になるので、アメリカの「Say cheese!」と同じ効果を狙ったものと推測される。おそらくは子供向けだろう。
ドイツ
英語版ウィキペディアの解説によれば、ドイツでは写真撮影時に子供たちを笑わせて笑顔にするために、「スパゲッティ」や「ケーゼクーヘン(チーズケーキ)」など、食べ物関係の掛け声を用いることがあるという。
大人向けには「ビア(ビール)」、「ヴルスト(ソーセージ)」などが良さそうだ。
イタリア
イタリアでは、写真を撮る掛け声として「Famiglia(ファミリア)」が使われる。意味は「家族」。
おそらくこれも、「ミリ」の発音時に口角が上がり笑顔になるので、その瞬間を狙ってシャッターを切ることで笑顔が撮影できるという狙いがあるのだろう。
ロシア
ロシアでも、写真を撮るときの掛け声として、チーズを意味する「スイール/スィル」が使われるようだ。ロシア語版の「Say cheese!」といったところか。
スペイン
スペインの写真撮影時のかけ声は「Patatas(パタタス)」。意味は「じゃがいも、ポテト」。
スペインとじゃがいもと言えば、じゃがいもがたっぷり入ったスペイン風オムレツ「トルティージャ・デ・パタタス(tortilla de patatas)」が日本でも有名。
ブラジル(ポルトガル語圏)
ブラジルなどのポルトガル語圏では、チーズに発音が似ている「X(シース)」が写真撮影の掛け声に使われるそうだ。
ちなみに、ブラジルのチーズバーガーは「シース(シス) Xis」と呼ばれるが、これはアメリカからチーズバーガーが伝わった時に「cheese(チーズ)」をポルトガル語的に「シース(シス)」と呼んだことに由来するという。
中南米・ラテンアメリカ
英語版ウィキペディアによれば、ラテンアメリカ(中南米)の多くの国々では、写真の撮影時の掛け声として「ウィスキー whiskey」が定番のようだ。
お酒の名前なので、大人だけが使う掛け声かと思ったが、YouTubeでは子供たちの写真撮影にも「ウィスキー」が使われていて少し驚いた。
ちなみに、メキシコでは「テキーラ Tequila」だそうだ。
中国
中国語では、写真を撮るときの掛け声は「一ニ三 茄子!」(イー、アー、サン、チエズ)」。「茄子(チェズ)」は文字どおりナスの意味で、発音がチーズに似ていることから使われているようだ。
つまり、そのルーツはアメリカの「Say cheese!」ということになるだろう。
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