中秋の名月はいつ?満月は? 意味と由来

陰暦8月15日の夜にお月見 満月とは数日のズレも

「中秋の名月(ちゅうしゅうのめいげつ)」は、一年で特に美しいとされる陰暦8月15日の夜(十五夜)に見える月のこと。違う漢字の「仲秋」は、陰暦8月全体を意味する。

中秋の名月でお月見ができる陰暦8月15日とは、現代の暦ではいつなのか?具体的な次のような日付となる。

中秋の名月 満月
2018 9月24日 9月25日
2019 9月13日 9月14日
2020 10月1日 10月2日
2021 9月21日 9月21日
2022 9月10日 9月10日

陰暦8月15日と比べると1か月前後のズレがあることが分かる。満月の日付は「中秋の名月」から最大で2日後になる年もある。

一体なぜこのようなズレが生じてしまったのか?「仲秋」とは具体的には何なのか?その他「中秋の名月」やお月見に関するアレコレを簡単にまとめてみた。

陰暦は「月の満ち欠け」

江戸時代以前の陰暦では、1か月の日付は「月の満ち欠け」を元に決められていた。

具体的には、新月(朔)が一日(ついたち)となり、満月(望)が十五日(いわゆる十五夜)、次の新月までが一か月とされた。

「ついたち(朔日)」という言葉は、月の始まりを意味する「月立ち(つきだち)」が語源と考えられている。

明治改暦で1か月前後のズレ

明治6年(1872年頃)、明治政府により新たにグレゴリオ暦(太陽暦)が導入され、明治5年12月3日は、強制的に明治6年(1873年)1月1日と置き換えられた。

12月3日が突然1月1日になったため、「中秋の名月」が見られる陰暦8月15日についても、新暦では1か月前後のズレが生じることとなった。

なお、同様のズレは、正月と旧正月(春節)、七夕やお盆などの伝統行事にも同じように影響している。

関連ページ:日本の暦の歴史まとめ 明治改暦とは?

満月とのズレは?

「中秋の名月」と満月のズレは、旧暦の一日(ついたち)の計算方法が主な原因。

旧暦では「新月の瞬間を含んだ日」がその月の一日(ついたち)になるが、その瞬間が0時0分でも、23時59分でも、その日が一日(ついたち)になる。その結果、最大で2日近くズレが生じる。

他の原因としては、新月から満月までの日数が正確に15日とはならず、平均では約14.76日である、という点も影響してくる。これは月の軌道が楕円であるため、満ち欠けの速度が一定にはならないからである。

仲秋は2番目の秋

陰暦では、一月から三月が「春」、四月から六月が「夏」、七月から九月が「秋」、「十月から十二月が「冬」とされた。

八月は秋の2番目の月であることから「仲秋」とよばれた。つまり「仲秋」は陰暦の八月全体を指していることになる。

ちなみに、現代のお正月でも年賀状などのデザインに「迎春」という言葉が添えられることがあるが、これも陰暦の春夏秋冬の区分が反映されている。

十五夜との関係は?

十五夜(じゅうごや)とは、陰暦における十五日の夜を意味する。言うまでもなく、八月以外にも十五日の夜はあるが、十五夜といえば陰暦八月十五日、すなわち中秋の名月を指す意味で使われる場合が多い。

芋名月 いもめいげつ

かつて日本では、中秋の名月にはサトイモを供えてお月見をしていたという。そのことから、中秋の名月は「芋名月(いもめいげつ)」の別名で呼ばれることもある。

ちなみに、十三夜(じゅうさんや)では、栗や豆を供えて月見を行ったことから、同様に「栗名月(くりめいげつ)」、「豆名月(まめめいげつ)」などと呼ばれた。

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