真夏の夜の夢 バレエ音楽
森で妖精が惚れ薬をバラまいて…カップルがこじれて…
『真夏の夜の夢』は、メンデルスゾーン作曲の劇付随音楽『夏の夜の夢』に、フレデリック・アシュトンが振り付けたバレエ作品。
英国ロイヤル・バレエにより1964年に初演された。ABT(アメリカン・バレエ・シアター)での初演は2002年。
原作は、シェイクスピアによる16世紀後半の戯曲『夏の夜の夢(A Midsummer Night's Dream)』。全5幕からなり、アテネ近郊の森に足を踏み入れた貴族や職人、森に住む妖精たちが登場する。
ちなみに、メンデルスゾーン作曲『夏の夜の夢』の中で演奏される『結婚行進曲』は、その名の通り結婚・ブライダルに関連して、BGMとして単独で演奏・使用されることが多い。
タイトルは真夏?夏?どっち?
初期の翻訳では、原題の「midsummer night」を直訳して、「真夏の夜」 の語が用いられていた。しかし、原題が指すのは6月下旬の「夏至(midsummer day)」の夜のことであり、日本でいう「真夏」つまり夏のさかりの夜ではない。
そのため、現在では日本の読者に誤解を招くとして、『夏の夜の夢』と訳するのが一般的になっているようだ。
【YouTube】 A Midsummer Night's Dream Trailer
【YouTube】 A Midsummer Night's Dream [Ballet excerpt - I Act.]
あらすじ・ストーリー
アセンズ公シーシアス(テセウス)とアマゾン国のヒッポリタとの結婚式が間近に迫っていた。
貴族の若者ハーミアとライサンダーは恋仲であるが、ハーミアの父イージアスはディミートリアスという若者とハーミアを結婚させようとする。
ハーミアは聞き入れないため、イージアスは「父の言いつけに背く娘は死刑とする」という古い法律に則って、シーシアスに娘ハーミアを死刑にすることを願い出る。
ディミートリアスと結婚するか死刑か
シーシアスは悩むものの、自らの結婚式までの4日を猶予としてハーミアへ与え、ディミートリアスと結婚するか死刑かを選ばせる。ライサンダーとハーミアは夜に抜け出して森で会うことにする。
ハーミアがこのことを友人ヘレナに打ち明けると、ディミートリアスを愛しているヘレナは二人の後を追う。ハーミアを思うディミートリアスもまた森に行くと考えたからだ。
森では妖精の王様と女王様がケンカ中…
その頃森の中では,、妖精王オーベロンとその妻の女王タイターニアが、美しいインドの少年をめぐって喧嘩をし、仲違いしていた。機嫌を損ねたオーベロンは妖精パックを使って、タイターニアのまぶたに花の汁から作った媚薬をぬらせることにする。
この媚薬はオーベロンの魔力によって作られた強力なもので、目を覚まして最初に見たものに恋してしまう作用がある。
妖精パックが惚れ薬をバラまいて、人間の頭をロバに変えて・・・
ところが、パックは森で眠っていたライサンダーたちにもこの媚薬を塗ってしまう。媚薬のせいで、ライサンダーとディミートリアスがヘレナを愛するようになり、4人の関係があべこべになってしまう。
さらに、パックは森に来ていた職人のボトムの頭をロバに変えてしまう。目を覚ましたタイターニアはこの奇妙な者に惚れてしまう。
みんな元に戻って大団円
とりかえ子の問題が解決すると、オーベロンはタイターニアが気の毒になり、ボトムの頭からロバの頭をとりさり、タイターニアにかかった魔法を解いて二人は和解する。
また、ライサンダーにかかった魔法も解かれ、ハーミアとの関係も元通りになる。
一方、ディミートリアスはヘレナに求愛し、ハーミアの父イージアスに頼んで娘の死刑を取りやめるよう説得することにする。
これで2組の男女、妖精の王と女王は円満な関係に落ち着き、6人の職人たちもシーシアスとヒッポリタの結婚式で無事に劇を行うことになった。
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