Stewball ステューボール

フォークソング(アメリカ)1960's

『Stewball ステューボール(シチューボウル)』は、18世紀イギリスに実在した競走馬を題材としたアメリカのフォークソング。『Skewball』のつづりも見られる。

曲名や歌詞のテーマ(競走馬)が同じでも、メロディが全く異なる『Stewball』という曲が多数存在するが、このページでは、1960年代のアメリカでフォークソングとして一般的に広まった『Stewball』を時系列に取り上げていくこととしたい。

また、同曲と比較して言及されることが多いジョン・レノンのクリスマスソング『ハッピークリスマス Happy Xmas (War Is Over)』(1971年)についても最後に軽く触れていくので適宜参照されたい。

Greenbriar Boys - Stewball 1961

1960年代初頭の代表的な『Stewball』といえば、当時ニューヨークで活動していたブルーグラス・ミュージックバンド、グリーンブライアー・ボーイズ(The Greenbriar Boys)による楽曲が存在する。

グリーンブライアー・ボーイズ(The Greenbriar Boys)版『Stewball』は、今日最もメジャーなバージョンの原型とも言えるアレンジで、これ以降にリリースされる『Stewball』は、ほぼこのバージョンを踏襲した楽曲となっているように思われる。

同グループはアメリカの女性フォーク歌手ジョーン・バエズ(Joan Baez/1941-)と深い交流があり、彼女が1961年にリリースしたアルバムでは、収録曲の2曲についてグリーンブライアー・ボーイズがゲストアーティストとしてクレジットされている。

Peter, Paul and Mary - Stewball 1963

1960年代のアメリカで最も成功したフォークグループの代表格、ピーター・ポール&マリー(Peter, Paul and Mary)も『Stewball』をカバーしている。

1960年代にリリースされた『Stewball』の中で、おそらくこのピーター・ポール&マリー版が最も有名だと思われる(セールス的にも)。

ジョーン・バエズ Joan Baez - Stewball 1964

グリーンブライアー・ボーイズと交流のあったジョーン・バエズ版『Stewball』がこちら。メロディは同じだが、歌詞が大幅に変更されている。

その他のアーティストによる『Stewball』カバー

その後も1960年代にはアメリカ国内外のヨーロッパで様々なアーティストが『Stewball』をカバーしている。

1964年にはアメリカのフォークミュージック・ボーカルグループ、チャド・ミッチェル・トリオ(Chad Mitchell Trio)、1966年にはイギリスのロックバンド、ザ・ホリーズ(The Hollies)が『Stewball』をカバー。

1966年のフランスでは、男性歌手ユーゲス・オーフレイ(Hugues Aufray)が『Stewball』をカバー(アメリカ版とは曲は大きく異なる)し、自身最大のヒット曲となった。

ジョン・レノン『Happy Xmas (War Is Over)』1971年

さて、最後にジョン・レノンのクリスマスソング『ハッピークリスマス Happy Xmas (War Is Over)』について軽く触れてみたい。

同曲については、『Stewball』と曲全体の雰囲気が良く似ている、などの指摘がネット上で散見される。

『Happy Xmas (War Is Over)』がリリースされたのは、ピーター・ポール&マリー版『Stewball』がリリースされてから8年後の1971年。

時系列から言えば、『Stewball』が『Happy Xmas』に影響を与えたということになるが、もちそんその真偽は明らかではない。

仮にメロディ的に何らかの影響を受けていたとしても、『Happy Xmas』は全く内容の異なる美しいクリスマスソングとして、別次元の作品に昇華されている素晴らしい楽曲であることは間違いないだろう。

【関連ページ】 アメリカ民謡・歌曲特集へ