ポリー・ウォリー・ドゥードゥル
Polly Wolly Doodle

19世紀アメリカのミンストレル・ショー向けナンセンスソング

『Polly Wolly Doodle』(ポリー・ウォリー・ドゥードゥル)は、19世紀アメリカのバージニア・ミンストレルズ(Virginia Minstrels)によって初演された楽曲。

NHK「みんなのうた」で1964年4月に初回放送された『ほがらか村長さん』の原曲と思われる。ピアノ初学者向けの練習曲『ひとまねオウム』にも似ている。

ビング・クロスビー(Bing Crosby/1903-1977)やボニーM(Boney M)など様々なアーティストがカバーしているほか、現代では子供向けのキッズ・ソングとしても定着している。

バージニア・ミンストレルズによるアメリカでの初演は1843年とのことなので、『おおスザンナ』や『懐かしきケンタッキーの我が家』などを作曲したアメリカのスティーブン・フォスターとほぼ同時代の楽曲ということになる。

歌詞の内容は、ルイジアナにいる恋人のスージーに会いに行く青年の一人語りとなっている。おそらくはミンストレル・ショー向けの楽曲として作曲されたもので、語呂の良さと滑稽さが強調されたナンセンスな内容。

歌詞の英語が正規の文法とは異なっているのも、19世紀アメリカにおけるアフリカ系労働者たちが話す英語を模倣したものと考えられる。同様の表現はスティーブン・フォスターによるいくつかの楽曲でも確認できる。

【YouTube】POLLY WOLLY DOODLE - Performed by Tom Roush

歌詞の一例・意味

Oh, I went down south
for to see my Sal
Singing Polly Wolly Doodle all the day
Oh my Sal she am a spunky gal
Singing Polly Wolly Doodle all the day.

サリーに会いに南へ行った
ポリー・ウォリー・ドゥードゥルを歌いながら
サリーは元気な娘さ
ポリー・ウォリー・ドゥードゥルを歌いながら

Fare thee well, fare thee well
Fare thee well my fairy fay
For I'm goin' to Louisiana
for to see my Susi-anna
Sing Polly Wolly Doodle all the day.

さよなら 僕の妖精
ルイジアナに行くのさ スージーアナに会いに
ポリー・ウォリー・ドゥードゥルを歌いながら

Oh, my Sal she am a maiden fair
Sing Polly Wolly Doodle all the day
With curly eyes and laughing hair
Sing Polly Wolly Doodle all the day.

僕のサリーは可愛い娘
ポリー・ウォリー・ドゥードゥルを歌いながら
まんまるおめめに可笑しな髪形
ポリー・ウォリー・ドゥードゥルを歌いながら

Fare thee well, fare thee well
Fare thee well my fairy fay
For I'm goin' to Louisiana
for to see my Susi-anna
Sing Polly Wolly Doodle all the day.

さよなら 僕の妖精
ルイジアナに行くのさ スージーアナに会いに
ポリー・ウォリー・ドゥードゥルを歌いながら

ボニーMのカバー曲について

1970年代から80年代に活躍したドイツのディスコバンド「ボニーM/Boney M.」は、『Polly Wolly Doodle』をユーロディスコ調にカバーした『Hooray! Hooray! It's a Holi-Holiday』を1979年にリリースしヒット曲となった。

同曲はさらに1999年に『Hooray! Hooray! (Caribbean Night Fever)』としてセルフカバーされたが、こちらはあまりヒットしなかったようだ。

【YouTube】Boney M Hooray! Hooray!

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