サントリーオールド CM曲 夜がくる 歌詞

小林亜星が日本語歌詞をつけたスキャット・ソング

「ダン・ダン・ディダン・シュビダドゥン♪」の渋いスキャットが印象的なサントリーオールドCM曲『夜がくる -人間みな兄弟-』。

作曲は、『日立の樹』(この木なんの木)、『積水ハウスの歌』、『魔法使いサリー』などを手がけた作曲家・俳優の小林亜星。

このCM曲が初めてテレビ放送されたのは1968年のこと。当初はCM用の短い楽曲として製作され、曲名もなかったが、後に作曲者自身により日本語の歌詞がつけられ、同時に現在の曲名となった。

『夜がくる』のスキャットは、当時上智大学の教授であったサイラス・モズレーが歌っている。日本語歌詞では、スキャット部分の歌詞は次のように表記されているのでちょっと確認してみよう。

Don don din don shubi da don
Oh deh... Oh!

カタカナ表記にすると、「ドン・ドン・ディン・ドン・シュビ・ダ・ドン オデー…オー!」となるが、実際の発音は「ダン・ダン・ディダン・シュビダドゥン…」といった感じに近いかもしれない。

『夜がくる』が初放送された1960年代後半は、テレビ番組やCMでスキャットがよく使われており、「シャバダバシャバダバ(サバダバサバダバ)」の「11PM」(イレブン・ピーエム)や、1966年の映画「男と女」テーマ曲「ダバダバダ ダバダバダ…」などが特に有名。

【YouTube】 がくる ~人間みな兄弟~

日本語歌詞

それでは、小林亜星本人が作詞したという『夜がくる』日本語歌詞について、次のとおり引用して内容を確認してみたい。

Don don din don shubi da don
夜が来る
Don don din don shubi da don
灯(あか)りがつく

あの街 この街 黄昏(たそがれ)て
紫色の 夜が来る

心の中にも 灯がともる
地球がまわる 陽が沈む

Don don din don shubi da don
何時(いつ)の間に
Don don din don shubi da don
時が過ぎる

誰かブルースを 歌っている

何かが待ってる 夜が来る
Singin' in the dark
誘われて 月は東に 日は西に

Don don din don shubi da don
Oh deh... Oh!
Don don din don shubi da don
Ah din don shubi da don

愁(うれ)いも 悩みも さようなら

Don don din don shubi da don
夜が来る
Dreamin' in the night
魅せられて

街の谷間に 夜が来る 夜が来る

歌詞を見ると、ウィスキーのCM曲がベースになっているだけあって、夕日が沈んで空がウィスキーのような琥珀色に輝く黄昏時(たそがれどき)の描写が織り込まれている。

また、真っ暗な夜そのものではなく、辺りがゆっくりと夜になろうとするしみじみとした時間の移ろいに焦点が当たっており、ウィスキーをゆっくりと嗜むような、大人のしっとりとした哀愁が感じられる。

ちなみに、作詞にあたっては、なぜか「マーク・HAMA」という謎のアーティスト名が用いられており、歌詞だけでなく、歌も小林亜星本人によりレコーディングされている。

【YouTube】 日本語歌詞つき 歌:小林亜星

似てる曲について

余談だが、サントリーオールドCM曲『夜がくる』がテレビで初めて放送された1968年、フランスであるレコードが発売された。

それは、大ヒット曲『シェリーに口づけ』で知られるフランスの男性シンガーソングライター、ミッシェル・ポルナレフ(Michel Polnareff)による『J'ai du chagrin Marie』というシングル曲だ。

ミッシェル・ポルナレフ ベスト盤

日本では1974年に『悲しきマリー』として発売されたこの曲。聴いてみると、筆者の個人的な感想として、『夜がくる』と全体の曲調や一部のメロディが似ているような、似ていないような、微妙な感覚に襲われる。

【YouTube】Michel Polnareff - J'ai Du Chagrin Marie

歌詞の内容は、幼い友達を無くした主人公の悲しい心境が描写されており、サントリーオールドCM曲とは内容上の関連性はないが、哀愁ただよう曲調が全体的に似ているのと、一部のメロディがかなり似通っているように感じられる。

当時ミッシェル・ポルナレフはヒット曲を連発し、世界的にその名が広まっていた。彼のヒット曲をポール・モーリアやザ・ベンチャーズがカバーし、さらに注目を集めていた頃。

プロの作曲家となった若き小林亜星が、当時欧米で人気を高めていたミッシェル・ポルナレフの新曲をリリース直後に耳にしていた可能性は十分に考えられる。

もちろんパクリや盗作といったレベルではないので、権利関係的には全く問題はないだろう。あくまでも雰囲気が似ているというだけの他人の空似だ。

この程度の他人の空似なら、他の作曲者による他の楽曲にもいくらでも例は見られる。こちらのページ「元ネタ・原曲・似てる曲 そっくりメロディ研究室」では、こうした偶然の一致・他人の空似を一覧にまとめているので、ご興味のある方は是非ともお立ち寄りいただきたい。

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