コロブチカ(行商人)歌詞の意味・和訳

ロシア歌曲・フォークダンス/テトリスBGMとしても有名に

『コロブチカ(行商人)』は、ロシアの詩人ニコライ・ネクラーソフの長編詩「コロベイニキ(Коробе́йники)」の中の一節から採られたロシア歌曲。作曲者は不明。]

曲名である「コロブチカ」は、冒頭の歌詞にある「коро́бушка(カローブシカ)」から採られている。行商人が背負う箱を意味している。

日本では、学校の運動会などのフォークダンスで用いられるほか、ゲームソフト「テトリス」BGMとしても有名。テトリスの考案者がソ連の科学者なので、ゲームBGMにロシア民謡・歌曲が使われている。

【YouTube】Korobeiniki コロブチカ(行商人)

【YouTube】Korobushka コロブチカ(行商人)

歌詞の意味・和訳(意訳)

ロシア語の歌詞は、ウィキペディア英語版「Korobeiniki」から引用した。

1.
Ой, полна, полна коробушка
Есть и ситцы и парча
Пожалей, моя зазнобушка
Молодецкого плеча!

おお 小箱は満杯だ
キャラコ(更紗)や錦が詰まってる
恋人よ 若者の肩を哀れんでくれ

2.
Выйди, выйди в рожь высокую!
Там до ночки погожу
А завижу черноокую
Все товары разложу

ライ麦畑へ出ておいで
真夜中までそこで待ってるから
黒い瞳の君(女性)が来たら
箱の中身を広げよう

3.
Цены сам платил немалые
Не торгуйся, не скупись
Подставляй-ка губки алые
Ближе к молодцу садись

仕入れに結構金がかかってるんだ
値切ったり ケチったりしないでくれ
君の赤い唇を僕に寄せてくれ
この素敵な若者のもっと近くに

4.
Вот уж пала ночь туманная
Ждёт удалый молодец
Чу, идёт! – пришла желанная
Продаёт товар купец

霧の夜が来て
大胆な若者は待っている
ほら 彼女だ!
お待ちかねの人がやって来た
商人は品物を売っている

5.
Катя бережно торгуется
Всё боится передать
Парень с де́вицей целуется
Просит цены набавлять

慎重に値段交渉するカーチャ
彼女は払いすぎを心配してる
若者は娘に口づけして
高く買ってほしいと頼む

6.
Знает только ночь глубокая,
Как поладили они.
Распрямись ты, рожь высокая,
Тайну свято сохрани!

暗い夜だけが知っていた
二人が何を合意したのかを
まっすぐに立て 背の高いライ麦よ
しっかりと秘密を守れ!

7.
Ой, легка, легка коробушка,
Плеч не режет ремешок!
А всего взяла зазнобушка
Бирюзовый перстенёк.

おお 軽いぞ 箱が軽いぞ
肩にベルトが食い込まない
そして娘が取ったのは
トルコ石の指輪だけ

8.
Дал ей ситцу штуку целую
Ленту алую для кос
Поясок – рубашку белую
Подпоясать в сенокос

彼女に贈ったのは
キャラコひと巻き
おさげ髪の真っ赤なリボン
そして草刈りで使う
白シャツを締めるベルト

9.
Все поклала ненаглядная
В короб, кроме перстенька:
«Не хочу ходить нарядная
Без сердечного дружка!»

愛しい彼は 指輪以外
全てを箱に戻した
『私は婚約者もいないのに
オシャレして出歩けないわ! 』

10.
То-то, дуры вы, молодочки!
Не сама ли принесла
Полуштофик сладкой водочки?
А подарков не взяла!

ああ 愚かな若い乙女よ
美味いウォッカの小瓶を
持ってきてないのか?
彼女は贈り物を受け取らなかった

11.
Так постой же! Нерушимое
Обещаньице даю:

Опорожнится коробушка,
На Покров домой приду
И тебя, душа-зазнобушка,
В божью церковь поведу!"

だからここにいてくれ
絶対に破らない約束をしよう

箱の商品を全部売り終えたら
祭りの日に帰ってきて
僕の愛しい君を
神の教会へ連れていくから

12.
Вплоть до вечера дождливого
Молодец бежит бегом
И товарища ворчливого
Нагоняет под селом.

雨の晩に
若者は走って行った
ブツブツ言う村の仲間の元へ

13.
Старый Тихоныч ругается:
"Я уж думал, ты пропал!"
Ванька только ухмыляется
Я-де ситцы продавал!

仲間の一人が悪態をついた
「どこかへ消えたかと思ったよ!」
若者は笑顔で答えた
僕はキャラコを売ってたんだよ

キャラコ(更紗)とは?

キャラコ(キャリコ/calico)は、インド産の平織りの綿布のこと。丈夫で実用的な布地で、シャツやハンカチーフ、足袋、カバーなどに用いられる。

インド綿布は17世紀以降にイギリス東インド会社によってカリカット港から輸出され、この積出港の名がなまってキャラコとよばれるようになった。

日本でキャラコと呼ぶ場合は、インド綿布とは逆に、薄手で織り目が細かい糊付けした純白の木綿地を指し、主に足袋やステテコの材料として用いられる。

有名なフォークダンスの曲

マイムマイム
歌の中で繰り返し用いられている「マイム」"mayim"は、ヘブライ語で「水」を意味する。シオニズム運動によって全世界から現在のイスラエルの地に戻ってきたユダヤ人が、未開の地に水を引いて開拓に励む喜びを表した歌とされている。
ジェンカ
1960年代に欧米を中心に世界的に流行したフィンランド発のダンス音楽「レトカ イェンッカ(Letka Jenkka)」。
オクラホマミキサー(藁の中の七面鳥)
19世紀後半から広まったアメリカ歌曲。ミンストレル・ショーでよく演奏されていた人気のメロディ。

関連ページ

有名なロシア民謡・歌曲 歌詞の意味・和訳
カチューシャ、トロイカ、コサックの子守唄、コロブチカ、一週間、ポーリュシカ・ポーレなど