リトアニア民謡『私の妹よ』
Tu mano seserėle

ストラヴィンスキー『春の祭典』で使われたリトアニアの旋律

『私の妹よ Tu mano seserėle』は、ストラヴィンスキーのバレエ音楽『春の祭典』第1部序章で使われているリトアニア民謡。

歌詞は、妹の結婚について二つの選択肢と教訓を示す内容となっているようだ。中世ヨーロッパの封建制度を前提とした描写もあり、時代的にはかなり古い可能性があるが、曲の成立について詳細は不明。

ちなみに、ストラヴィンスキー家は16世紀末にさかのぼるポーランド系小貴族で、伝統的にその領地はリトアニア大公国の中にあった。

『春の祭典』では、『私の妹よ Tu mano seserėle』以外にも、第1部の第2曲から第4曲まで、何らかのリトアニア民謡が使われているという(曲名は不明)。

出典:リトアニア第2の都市カウナス(出典:Wikipedia)

【YouTube】Tu mano seserėle

歌詞(リトアニア語)・大意(意訳)

Tu mano seserėle, sesele gulbužėle,
ar nori vargą vargti, vargelį pamatyti?

私の妹よ 私の小鳥よ
もし貧しく暮らしたいのなら

Jei nori vargą vargti, vargelį pamatyti,
tekėk už baudžiauninko, už dvaro nevalninko.

貧しさを経験したいのなら
農奴と結婚しなさい 領主の家の召使いとね

Išeidams į dvareli, į didžią baudyiavėlę,
paliks tave bemalant, prie girnelių bestovint.

領主の家に着いたら 大きな荘園で 粉ひき労働

Pareidams iš baudžiavos, iš didžios nevalėlės,
parneš šauniu žodeliu ir graudžiu ašarėliu.

労働が終わったら 期待と悲しみが待っている

Jei nori valioj būti vargelio nemtyti,
tekėki už medlinčiaus, už girios valdonėlio.

貧しい生活がいやだったら
森林の管理者と結婚しなさい

Išeidams į girelę, į didžią valdonėlę,
paliks tave bemiegant, pataleliais užklojęs.

森へ着いたら 彼はお前を
シーツ付きベッドで寝かせてくれる

Pareidams iš girelės, iš didžios valdonėjės,
parneš raibų paukštelių ir meiliųjų žodelių.

森から戻ったら 彼はお前に
カラフルな鳥たちと素敵な言葉をくれる

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