世界の国からこんにちは 歌詞と解説

2025年大阪・関西万博で再注目 登美丘高校ダンス部も尽力

2025年の大阪・関西万博決定で再注目される三波春夫のヒット曲『世界の国からこんにちは』。1970年の大阪万博テーマソングとして作曲された同曲は、1964年東京オリンピックのテーマソング『東京五輪音頭』とともに、三波春夫が生涯歌い続けた代表曲となっている。

1970年大阪万博会場

写真:1970年大阪万博会場(出典:Wikipedia/photo by takato marui)

発売当時は複数の歌手による競作の形がとられ、坂本九、吉永小百合、山本リンダ、ボニージャックスなどが『世界の国からこんにちは』を歌っているが、三波春夫盤が最も人気を博した(作詞:島田陽子、作曲:中村八大)。

1970年の大阪万博終了後も同曲は国民的な愛唱歌として定着し、様々なテレビ番組やCM、アニメなどで同曲の替え歌が用いられている。

世界の国からこんにちは テイチクレコード

有名な替え歌としては、往年のバラエティ番組「オレたちひょうきん族」において、明石家さんまが演じる「なんですかマン」のテーマソングとして替え歌『世界の国からナンデスカ?』が使われた。

1997年のアニメ映画「クレヨンしんちゃん 暗黒タマタマ大追跡」では、悪役・珠黄泉(たまよみ)族が『世界の国からこんにちは』を歌うシーンがある。

2005年の「愛・地球博」(愛知万博)では、三波春夫の息子・三波豊和とキャイ〜ンが『世界の国からこんにちは2005』としてカバーした。その際、歌詞の「1970年」は「2005年」に差し替えられている。

2009年の映画「20世紀少年」では、三波春夫をモチーフとする「春波夫」が、『世界の国からこんにちは』のパロディ曲『ハロハロ音頭』を劇中の万国博覧会テーマ曲として歌っている。

2013年にはCMタイアップ曲としてSMAP(スマップ)がカバーし、50枚目のシングル「Joy!!」のビビットオレンジ盤に収録された。

【YouTube】 世界の国からこんにちは 三波春夫

歌詞の内容は?

大阪万博テーマ曲『世界の国からこんにちは』は、どのような歌詞の内容となっているのだろうか?次のとおり引用して確認してみよう。

なお、ネットでは「歌詞が怖い」という意見も見られたので、なぜこの歌詞が怖いと感じられるのかについても若干考察してみたい。

こんにちは こんにちは 西のくにから
こんにちは こんにちは 東のくにから
こんにちは こんにちは 世界のひとが
こんにちは こんにちは さくらの国で
1970年の こんにちは
こんにちは こんにちは 握手をしよう

こんにちは こんにちは 月へ宇宙へ
こんにちは こんにちは 地球を飛び出す
こんにちは こんにちは 世界の夢が
こんにちは こんにちは みどりの丘で
1970年の こんにちは
こんにちは こんにちは 握手をしよう

こんにちは こんにちは 笑顔あふれる
こんにちは こんにちは 心のそこから
こんにちは こんにちは 世界をむすぶ
こんにちは こんにちは 日本の国で
1970年の こんにちは
こんにちは こんにちは 握手をしよう
こんにちは こんにちは 握手をしよう

ご覧の通り、歌詞の半分以上は「こんにちは」で占められており、そこに「西のくに」「東のくに」「世界」「日本」と言った世界万博の要素が盛り込まれている。

1960年代には、アメリカ航空宇宙局(NASA)による人類初の月への有人宇宙飛行計画、いわゆる「アポロ計画」が進められていたが、『世界の国からこんにちは』の歌詞にも、「月へ宇宙へ/地球を飛び出す」とアポロ計画を意識した表現が見られるのが興味深い。

歌詞が怖い?不気味?

上述のとおり、『世界の国からこんにちは』の歌詞は、5割以上が「こんにちは」となっており、単純な繰り返しが曲の特徴の一つとなっている。

この歌詞に恐怖感を抱くとしたら、おそらくこの「繰り返し」が一つの原因なのではないかと推測される。

この繰り返しに対する不気味さは、蜂の巣に似た蓮(ハス)の穴を見て嫌悪感を覚えるような、「繰り返しパターン恐怖症」、「集合体恐怖症」の一種である可能性があるように思われる。

他の怖さとしては、同じ言葉しか繰り返さないロボットや、針が飛んで無限ループ状態のレコードなどにも近い要素があるのかも知れない。

もしAmazonのAlexa(アレクサ)やiPhoneのSiri(シリ)が、何を話しかけても「こんにちは」しか言わなくなってしまったら、それが真夜中に一人の時なら結構ホラーだろう。

2025万博ダンス(こんにちはダンス)

2025年の大阪・関西万博に向けて、かつて三波春夫盤をリリースしたテイチクレコードが、満を持して2025年版『世界の国からこんにちは』を公開した。

2025版では、原曲よりもアップテンポにアレンジされ、ボーカルは故・三波春夫の音声データから合成された「ハルオロイド・ミナミ」が用いられた。

公開された動画では、バブリーダンスで人気を博した登美丘(とみおか)高校ダンス部コーチ・振付師akaneが「万博ダンス」(こんにちはダンス)を振付している。

【YouTube】「万博ダンス」こんにちは2025

【YouTube】「EXPO DANCE」Konnichiwa2025

動画でダンスしているのは、akane 率いるクリエイティブダンスユニット「アカネキカク」。登美丘高校ダンス部OGと現役生からなる。

撮影場所は、大阪市内や万博開催候補予定地の夢州(ゆめしま)など。英語版の歌詞と動画も作成され、国際的なイベントを歌とダンスで盛り上げようというテイチクレコードの意欲的なプロジェクトとなっている。

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