津軽よされ節 意味・語源・由来

東北地方に定着した「よされ節」の代表格・津軽三大民謡

『津軽よされ節』は、津軽三味線や太鼓などで演奏される青森県津軽地方の民謡。様々な歌詞が存在する。

津軽じょんがら節(じょんから節)』、『津軽小原節(おはら節)』に並ぶ津軽三大民謡(津軽三つ物)の一つに数えられる。

津軽半島の最北端・竜飛崎(たっぴざき)

『津軽よされ節』以外にも、東北地方を中心に「よされ節」が存在し、青森県の『黒石よされ節』、岩手県の『南部よしゃれ節』(雫石よしゃれ)などが有名。

「よされ」の意味や語源については後述する。

写真:津軽半島の最北端・竜飛崎(たっぴざき)/出典:Wikipedia

【試聴】 津軽よされ節 福士あきみ(唄)/木乃下真市(三味線)

【試聴】 津軽よされ節 福士豊秋(唄)/松橋礼香(三味線)

歌詞の一例

アー 一人娘を嫁にとやるにゃ
アー 箪笥(たんす)長持(ながもち)鋏箱(はさみばこ)
これほど持たせてやるからにゃ
二度と帰るな 出てくるな

アー 父さん母さん そりゃ無理よ
西が曇れば 雨となる
東が曇れば 風とやら

アー 千石積んだる船でさえ
港でる時ゃ まともでも
風の吹きよで 出て戻る

ましてわたしは 嫁じゃもの
縁が無ければ出て戻る

よされの意味・語源は?

「よされ」の意味や語源については諸説あるが、どれも仮説にとどまっている。

主な説としては、「夜さり」説、「世去れ」説、「よしなさい」説の三つがある。順番にみてみよう。

「夜さり」説

まず「夜さり」説について。「夜さり」とは、「夜、今夜」を意味する古語。「夜さ」ともいう。

ここでの「さり」は、漢字では「去り」となるが、古語の「去る」には現代とは真逆の意味を持つ用例があり、「夜去り」は夜が来ること、夜になることを意味していた。

同様に、古語では夕方になることは「夕去り(ゆうさり)」、「夕去れ(ゆされ)」などと表現された。

ちなみに、高知県に『よさこい節』という民謡があるが、これも同じ語源で、「夜に来い」という意味の「夜さ来い」に由来するとも考えられている。

「世去れ」説

次に「世去れ」説について。貧しい生活に苦しむ庶民が、苦しい世の中よ早く過ぎ去れという思いを込めた「世去れ」が語源であると説明される。

「よしなさい」説

最後に「よしなさい」説について。この説に関しては、岩手県の『南部よしゃれ節』(雫石よしゃれ)における次のような歌詞が参考になる。

ハー よしゃれおかしゃれ その手はくわぬ
その手くうよな野暮じゃない♪

この『南部よしゃれ節』の歌詞については、岩手県雫石町の元祖よしゃれそばの店「食堂いしや」Webサイトで次のように解説されていた。

むかし、いまの雫石八幡館にお城があった時のこと・・・

ここを攻略しようとした敵が、城の飲み水を止める水攻の戦法を考え、湧き水の場所を探すため山伏姿で一軒の茶屋を訪ねました。

山伏姿の隠密は、茶屋の美人おかみにぞっこん惚れ込んだとみせかけて、秘密の湧き水の場所を聞き出そうとしました。

山伏が、「茶屋のカカア(おかみさん)、花染めのたすきが今日は肩にかかっていないので、気にかかる。」とおかみのたすきを褒めますが、山伏が怪しいと知っていたおかみは、「よしゃれ(よしなさい)、おかしゃれ(手にかくしたものを、置きなさい)、その手は食わないよ。その手を食うような野暮じゃないよ。」と肘鉄砲をくわせました。

隠密を上手く撃退したと知った村の人たちは、喜び、この話を歌にしました。これが民謡”南部よしゃれ”のはじまりだと言われています。

<引用:岩手県雫石町「食堂いしや」Webサイトより>

前後の歌詞ともストーリーとしてつながりがあり、大変興味深い解釈だ。

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