阿波踊り 掛け声・歌詞の意味・由来

阿波踊り 掛け声・歌詞の意味・由来

踊る阿呆にみる阿呆 同じ阿呆なら踊らにゃ損々♪

徳島県発祥の阿波おどりについて、有名な掛け声の種類・代表的な歌詞の意味や由来・語源・歴史などについて簡単にまとめてみた。

ちなみに、阿波踊りの(歌詞以外の)ルーツは、天草市牛深に伝わる熊本県民謡『牛深ハイヤ節』と考えられている。

写真:下駄を履いて踊る女踊り(出典:awaodorijapan)

 

ヤットサー ヤットヤット

「ア、ヤットサー ア、ヤットヤットー」は、阿波踊りで最もよく耳にする掛け声の一つ。唄ばやしの合間に入れる囃子詞(はやしことば)で、歌の前後の調子を整えたり、踊り子同士で声を掛け合って気勢を高める(発破をかける)などの意味合いがある。

言葉自体の意味(語意)については、「ヤーレン ソーラン」などと同じく、実際には意味のある言葉としては使われていないが、その語源については諸説ある。

語源その1:やっとかめ

「やっとかめ(八十日目)」は、愛知・三重・岐阜の東海三県(中京地方)に伝わる方言で、「久しぶり!」、「元気かい?」、「いらっしゃい!」などの意味で使われていた。

語源その2:おやっとさま

鹿児島弁の「おやっとさー 」、宮崎弁の「おやっとさま」と近い系統で、「(やっとのことでございましたね)おつかれさま、ごくろうさま」といった意味合いがあるようだ。

エライヤッチャ エライヤッチャ ヨイヨイヨイヨイ

これも阿波踊りにおける古典的な掛け声の一つ。歌いだしに使うことで、次に歌う唄ばやしの入りを分かりやすくするほか、場の雰囲気をさらに盛り上げる活気付け・勢いづけとしての意味合いもある。

言葉自体の意味(語意)については、『東京音頭』の「ヤーットナー ソレ ヨイヨイヨイ」などと同じく、歌の調子を整えるための意味のない囃子詞として使われている。その語源については諸説あるが、確定的ではない。

語源その1:えらいこっちゃ

いわゆる関西弁の「えらいこっちゃ」。「大変な事だ」の意味。

語源その2:どえらいやっちゃ

関西弁の「どえらいやっちゃ」のように、「すごいやつだ」、「がんばってるな」といった誉め言葉の意味合い。

語源その3:ええじゃないか

日本全国で幕末に起きた「ええじゃないか騒動」に由来するとする説。阿波でもこの騒動は起きており、「ええじゃないか」が「えらいやっちゃ」に変化したと考えられる。

踊る阿呆にみる阿呆

「踊る阿呆(あほう)にみる阿呆 同じ阿呆なら踊らにゃ損々(そんそん)」

阿波踊りを代表するこの有名なフレーズは、京都豊年踊りの歌詞に由来している。

踊る阿呆に見る阿呆 おなじあほなら踊るがとくじゃ

<京都豊年踊りの歌詞より>

京都豊年踊りとは?

江戸時代後期(1839年)春頃、大丸呉服店(大丸百貨店)の下村家の寄進によって。京都市東山区の瀧尾神社(たきおじんじゃ)が大規模に造営された。

その竣工と前年の豊作で祝賀ムードに包まれた民衆が、様々な仮装で京都市中を熱狂的に踊り歩いた騒動。

笹山通れば笹ばかり

「笹山通れば笹ばかり 石山通れば石ばかり 猪豆喰うて ホーイホイホイ 」

この唄ばやしについては、次のように阿波の具体的な地名を入れて歌われることも少なくない。

佐古山通れば笹ばかり 大谷通れば石ばかり

「佐古山(さこやま)」は、眉山(びざん)で有名な徳島県徳島市・南佐古三番町あたりを指しているようだ。当時は山深く笹も生い茂っていたのだろう。

大谷も佐古山と同じく佐古地区(さこちく)の一つで、良質な大谷石の採石場・石切場として、大正時代まで採掘されていた。

「猪豆喰うて」のくだりについては、農耕儀礼の「イノシシ追い」の歌が関連しているようだが、詳細は不明。

新町橋まで行かんかこいこい

新町橋とは、徳島県徳島市の三角州を形成する新町川に架かる橋のこと。江戸時代の天保期(1830-1844)に起きた民衆の騒動において、徳島の庶民らは「新町橋まで行かんかこいこい」と声を揃えながら新町橋まで歩き、幕府に対して抗議行動を起こしたという。

その他の有名な歌詞

ひょうたんばかりが浮き物か
私の心も浮いてきた
浮いて踊るは阿波踊り

一かけ二かけ三かけて
四(し)かけた踊りは止められぬ
五かけ六かけ七かけて
八(や)っぱり踊りは止められぬ

お先の御方にお負けなや
わたしゃ負けるの大嫌い
負けてお顔がたつものか

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