秋田大黒舞 歌詞の意味

♪コラ 目出度い 目出度い 商売繁盛 御家内繁盛♪

『秋田大黒舞』(あきただいこくまい)は、新年や祝いの席で唄われる大変おめでたい秋田県民謡。数ある大黒舞系民謡の一つで、由利地方(由利本荘市)が発祥とされる。

大黒様と恵比須様

大黒舞とは、江戸時代の正月に行われた門付け芸の一つ。金持ちの家の前で、おめでたい大黒天(大黒様)の格好で、家を褒めたり祝いの詞(ことば)を歌いながら舞う。その後、家の旦那様からご祝儀を貰う。

ちなみに『秋田大黒舞』二番の歌詞は、御船歌『きさらぎ山』が元歌と考えられる。

【試聴】秋田大黒舞 ‐由利高校民謡部‐

歌詞:秋田大黒舞

明けの方から 福大黒 舞い込んだ
サーサ 舞い込んだ 舞い込んだ
何が先に立って 舞い込んだ
コラ 御聖天(ごしょうでん)が先に立ち
若大黒が 舞い込んだ
四方の棚を 見渡せば
鏡の餅も 十二重ね
神のお膳も 十二膳
コラ ダーイトショ
代々と 飾られたや
何よりも 目出度いと

春の初めの 初夢は
きさらぎ山の 楠木(くすのき)で
船を作りし 今降ろし
白銀(しろがね)柱を 押し立てて
黄金の千両も 含ませて
綾や錦の 帆を上げて
宝の島に はせ込んで
積んだる宝を 数々と
この家(や)のお蔵に 納めおく
サア 何よりも 目出度いと

コラ 目出度い 目出度い
商売繁盛 御家内繁盛
皆様おまめで 金もうけ どっさり

歌詞の意味

「明けの方」は歳徳神(としとくじん)の方向、つまり恵方(えほう)の意味。恵方巻の恵方。「明の方(あきのかた)」とも読む。

御聖天(ごしょうでん)は、仏教の守護神の一神・歓喜天(かんぎてん)のこと。大聖歓喜天、大聖歓喜大自在天など様々な呼び名がある。

十二の意味について

次の部分の歌詞に「十二」という数字が繰り返し用いられているが、これはどんな意味があるのだろうか?

四方の棚を 見渡せば
鏡の餅も 十二重ね
神のお膳も 十二膳

「大黒舞(だいこくまい)」が正月の門付け芸(かどづけげい)であることを考えれば、これは干支の「十二支」に関係している可能性があるが、その関係性は判然としない。

他に「十二」関連でおめでたい雰囲気の用語があるとすれば、帝釈天や毘沙門天などの十二天や、新薬師寺の国宝・十二神将像などがあるが、これらも歌詞とのつながりは不明だ。

なお、上述のとおり二番の歌詞は御船歌『きさらぎ山』が元歌となっており、その歌でも「十二」という数字が登場する例が見られる。

おそらくは、造船時に航海の安全を願って船霊(ふなだま)に捧げるお供え物の膳が、この「十二膳」と関係しているものと推測される。ご興味がある方は、書籍などで調べてみると何か面白い発見があるかもしれない。

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